重症成人の気管挿管中のバッグマスク換気

・低酸素血症は、重症成人の気管挿管時に最もよく見られる合併症であり、心停止と死亡のリスクを高める可能性がある。重症成人の気管挿管中のバッグマスク器具による陽圧換気(バッグマスク換気)が誤嚥のリスクを増大させることなく低酸素血症を予防するかどうかについては議論の余地がある。

・米国の 7 施設の集中治療室で実施された多施設無作為化試験で、気管挿管を受ける成人を、導入と喉頭鏡検査中のバッグマスク器具による換気か、または換気なしのいずれかに無作為に割り付けた。主要評価項目は、導入から気管挿管後 2 分間に観察された最低酸素飽和度であった。副次評価項目は、80% 未満の酸素飽和度と定義した高度低酸素血症の発生率であった。

・登録された 401 人の患者のうち、最低酸素飽和度の中央値は、バッグマスク換気群で 96%(四分位範囲、87~99)、非換気群で 93%(四分位範囲、81~99)であった(P=0.01)。無呼吸群の 45 人の患者(22.8%)と比較して、バッグマスク換気群の 21 人の患者(10.9%)は高度低酸素血症を示した(相対リスク、0.48; 95%信頼区間[CI]、0.30~0.77)。術者が報告した誤嚥は、バッグマスク換気群では挿管の 2.5%、換気なし群では 4.0% に発生した(P=0.41)。気管挿管後 48 時間の胸部X線撮影での新しい陰影の発生率は、それぞれ 16.4% と 14.8% であった(P=0.73)。

・気管挿管を受ける重症成人で、バッグマスク換気を受ける患者は、換気を受けていない患者よりも酸素飽和度が高く、高度低酸素血症の発生率が低かった。

[!]:重症患者に挿管する場合、麻酔導入時と同じようにバッグマスク換気した方が低酸素血症をきたさない。当たり前だろう。

【出典】
Bag-Mask Ventilation during Tracheal Intubation of Critically Ill Adults
New England Journal of Medicine ? Casey JD, et al. February 18, 2019

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