鼡径ヘルニア修復後の術後合併症の発生率は早産児および満期産児における入院を正当化するか?

・術後、酸素飽和度低下や無呼吸などの呼吸器合併症のリスクを考慮して、乳幼児は一晩入院する。この危険性は以前に報告されたものよりはるかに低いようである。どのくらいの年齢までこのリスクが続くのか、そしてどの乳児が日帰り治療に実際に適しているのか、知られていない。

・大規模三次小児病院で、2011 年 1 月から 2015 年 12 月にかけて、鼡径ヘルニア修復後に一晩入院となった、受胎後週数(PCA)45 週未満、PCA 45~60 週の早産児、満期乳児<3ヵ月から得た診療録を後ろ向きに検討した。術後合併症(呼吸器系、循環器系、神経系などに分類して)、再発、再手術が記録され、群間で比較された。

・485 人の患者の診療録をレビューした。術後呼吸器合併症(主に酸素飽和度低下または無呼吸)は、PCA 45 週未満の早産児 76 人中 27 人(35.5%)、PCA 45~60 週の早産児 221 人のうち 13 人中(5.9%)、満期乳児 188 人中 3 人(1.6%)で記載されていた(P<0.001)。 PCA 45~60 週の早産児 221 人の分析では、他者と比較して呼吸器病歴のある 76 人の乳児(例えば、気管支肺異形成症)において統計的に有意に多い呼吸器合併症が示された(それぞれ 13.2% vs 0.7%;P<0.001)。これらの乳児では、手術時の月齢が低いほど、呼吸器合併症の発症を統計的に有意に予測していた(オッズ比[OR]、0.68[95% 信頼区間{CI}、0.52-0.89]、P=0.005)。しかし、呼吸器病歴(OR、3.50[0.34-36.28]、P=0.294)、ASA-PS(ASA-PS II については OR 1.54[95%CI、0.31-7.65]、P=0.598)、ASA-PS III については OR、6.11[95%CI、0.76-49.05]、P=0.089)は予測能がなかった。

・PCA<45 週の早産児では術後呼吸器合併症の発生率が高く、術後一晩の酸素飽和度と心拍数のモニタリングを必要とする。早産児の術後合併症の発生頻度は PCA 45~60 週の早産児ではさまざまである。これらの乳児では、在胎週数と、場合によっては呼吸器病歴の存在を用いて、一晩入院の必要性を推定できる。ASA-PS I/II の月齢 1 ヵ月超の満期出生児では、鼡径ヘルニア修復後の術後呼吸器合併症はまれであり、この種の術式での日帰り入院の十分な根拠となる。

[!]:乳児のヘルニア手術は、満期産で月齢 1ヵ月以上で、ASA-PS I/II なら、日帰り手術でいいだろうと。

【出典】
Does the Incidence of Postoperative Complications After Inguinal Hernia Repair Justify Hospital Admission in Prematurely and Term Born Infants?
Anesth Analg. 2019 Mar;128(3):525-532. doi: 10.1213/ANE.0000000000003386.

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