《レビュー》 トラネキサム酸と人工心肺心臓手術

人工心肺.pngこれまで当ブログで紹介した記事から、人工心肺心臓手術とトラネキサム酸に関連した文献をまとめて紹介する。

弁とCABGの複合手術を受ける高齢者でトラネキサム酸は輸血量を減少させる:無作為対照研究
70 才以上の大動脈弁置換術と CABG の複合手術を受ける患者 64 人を対象として、術中無作為にトラネキサム酸(10mg/kg)の術前ボーラス投与+術中 1mg/kg/h 持続注入か、相当量の 0.9% 生食を投与した。赤血球製剤輸血単位数は、プラセボ群と比較して、トラネキサム酸群で有意に低かった(中央値、3.0[四分位領域、2-5] vs 5.0[3-7]、p=0.049)。

人工心肺を伴う心臓手術を受ける成人でトラネキサム酸の 2 用量を比較
10 mg/kg のボーラス投与後 1mg/kg/h を手術終了まで持続注入(低用量:n=284)するか、30 mg/kg のボーラス投与後、16mg/kg/h を持続注入(高用量:n=285)するよう無作為化。高用量の場合、凍結血漿(18 vs 26%、P=0.03)と濃厚血小板(15 vs 23%、P=0.02)の輸注率が少なく、血液製剤の使用量(2.5±0.38 vs 4.1±0.39、P=0.02)、新鮮凍結血漿使用量(0.49±0.14 vs.1.07±0.14、P=0.02)、濃厚血小板使用量(0.50±0.15 vs 1.13±0.15;P=0.02)、出血量(590±50.4 vs 820±50.7;P=0.01)、再手術数(2.5 vs 6%;P=0.01)が少ないことが認められた。高用量のトラネキサム酸 は、7 日目までの血液製剤輸注の発生率を減少させなかったが、輸血の必要性、出血量、再手術を減少させるのに、低用量よりも効果的であった。これらの結果は、輸血リスクが高い患者ではより顕著であった。

人工心肺を用いた心臓手術を受ける成人でトラネキサム酸のポピュレーションファーマコキネティクス
無作為に、低用量トラネキサム酸(10mg/kg に続けて、術中 1mg/kg/h、CPB に 1mg/kg)か、高用量トラネキサム酸(30mg/kg に続けて、術中 16mg/kg/h、CPB に 2mg/kg)のいずれかを投与。術中を通して、トラネキサム酸濃度は、低用量群で 28-55μg/ml 、高用量群で 114-209μg/ml であった。

[!]心臓手術に際してのトラネキサム酸の投与法
● 低用量投与:10 mg/kg のボーラス投与後、 1mg/kg/h を手術終了まで持続注入、CPB に 1mg/kg
● 高用量投与:30 mg/kg のボーラス投与後、16mg/kg/h を手術終了まで持続注入、CPB に 2mg/kg
輸血リスクの高い患者では、痙攣リスクを考慮して総量 80 mg/kg を超えない範囲で高用量を選択する。

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