オフポンプ冠状動脈バイパス術後の急性腎障害に及ぼす術前スタチンの効果

・多くの冠状動脈疾患患者が現在のガイドラインに従って、オフポンプ冠状動脈バイパス術(OPCAB)の前にスタチンを使用しているが、最近の研究は術後腎機能に及ぼす術前スタチンの悪影響に関して懸念を提起している。OPCAB 後の急性腎障害(AKI)に及ぼす術前スタチンの効果を評価した。

・著者らは、スタチンの術前使用に基づいて、1783 人の連続した OPCAB 患者をスタチン群か、または非スタチン群のいずれかに登録した。傾向スコアを使用して、群間の差を調整した。主要評価項目は、Kidney Disease: Improving Global Outcomes 基準による術後 AKI の発生率であった。スタチンの用量に関連した腎臓への影響を評価するために、スタチン群を術前のスタチン用量に基づいて低用量群と中用量群、またはそれ以上の高用量群に分けた。

・術後 AKI の発生率は、非スタチン群とスタチン群でそれぞれ 15.7% と 13.5% であり、術前スタチンは術後 AKI の発生率を増加させなかった(オッズ比: 0.84、95%CI 0.61~1.15、P=0.27)。用量関連分析では、中等度または高用量群は、非スタチン群と比較して術後 AKI の発生率が低かった(オッズ比:0.61、95%CI、0.39~0.95、P=0.03)。しかし、術後AKIの発生率は、低用量群と非スタチン群間(オッズ比:1.17、95%CI、0.75~1.84、P=0.49)、または中用量以上のスタチン群と低用量スタチン群間(オッズ比:0.84、95%CI、0.5~1.41、P=0.51)に差は見られなかった。

・術前のスタチン使用もスタチン用量も OPCAB 後の AKI のリスクを増加させなかった。術前のスタチン療法は OPCAB を受ける患者に有害ではない。

[!]:OPCAB 術前のスタチン使用は術後腎機能に及ぼす悪影響が懸念されていたが、その懸念は払拭された。


【出典】
Effects of Preoperative Statin on Acute Kidney Injury After Off‐Pump Coronary Artery Bypass Grafting
Journal of the American Heart Association. 2019;8

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