下肢手術を受ける患者でクモ膜下フェンタニルの鎮痛作用増強におけるクモ膜下ミダゾラムの有効性

・くも膜下への薬の併用投与はくも膜下ブロックの特性に相乗効果がある。本研究は、フェンタニルの長時間の知覚運動遮断と共に鎮痛持続時間を増強する上でのクモ膜下ミダゾラムの有効性を研究するために計画された。

・二重盲式試験デザインで、75 人の成人患者を無作為に 3 群に分けた:B 群では 0.5% 高比重ブピバカイン 3 ml、 BF 群では 0.5% 高比重ブピバカイン 3 ml+フェンタニル 25μg、BFM 群では 0.5% 高比重ブピバカイン 3 ml+フェンタニル 25μg+ミダゾラム 1mg。術後鎮痛は、視覚アナログスケールスコアを用いてで評価され、知覚と運動遮断の発現と持続期間を記録した。

・B 群の鎮痛の平均持続時間は 211.60±16.12 分であり、BF 群では 420.80±32.39 分、BFM 群では 470.68±37.51 分であった。B 群と BF 群の間(P=0.000)、B 群と BFM 群との間(P=0.000)、および BF 群と BFM 群の間(P=0.000)で鎮痛持続時間に統計的有意差があった。知覚と運動遮断の発現と持続時間の両方が BFM 群で有意に延長された。

・クモ膜下ミダゾラムは、有意な血行動態的障害をきたすことなく、鎮痛持続時間の延長と運動・知覚ブロックの延長に関して、クモ膜下フェンタニルの効果を増強する。

[!]:クモ膜下にフェンタニルとミダゾラムを併用すると、ブピバカインとフェンタニルの場合よりもさらに効果が延長できるようだ。

【出典】
Efficacy of intrathecal midazolam in potentiating the analgesic effect of intrathecal fentanyl in patients undergoing lower limb surgery
Anesth Essays Res. 2015 Sep-Dec; 9(3): 379?383.

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この記事へのコメント

ひめぴょん
2019年03月08日 11:56
末梢神経ブロックにステロイドを添加すると効果延長しますが、くも膜下にステロイドというのはどうなのでしょうか。また、逆に末梢神経ブロックにミダゾラムというのは効果延長が期待できるのでしょうか。
SRHAD-KNIGHT
2019年03月08日 18:02
脊髄損傷の急性期とか、帯状疱疹後神経痛などに対するステロイドのクモ膜下投与とういのはあるようですが、手術麻酔に際してのステロイドの添加というのは聞いたことがありません。
脊髄損傷の急性期に投与して有効であったという報告がある一方で、PHN には合併症の点から投与すべきではないというものまであります(Intrathecal steroid therapy for postherpetic neuralgia: a review. Expert Rev Neurother. 2002 Sep;2(5):631-7. doi: 10.1586/14737175.2.5.631. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19810978
>末梢神経ブロックにミダゾラムというのは効果延長が期待できるのでしょうか。
末梢神経ブロックに、ミダゾラムが有効という報告もあるようです。脊髄ではGABA受容体が関係しているのではないかと推察されていますが、末梢神経の場合は、ミダゾラムが GABAA 受容体と同力価で別の受容体 18-kd translocator protein (TSPO)に結合することから、この受容体が末梢神経ブロック作用を媒介して可能性が考えられているようです(Mechanisms underlying midazolam-induced peripheral nerve block and neurotoxicity. Reg Anesth Pain Med. 2014 Nov-Dec;39(6):525-33. doi: 10.1097/AAP.0000000000000176. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25304479)。

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