下肢整形外科手術を受ける成人患者に対するブピバカインに追加されたクモ膜下ネオスチグミンの術後鎮痛効果

・局所麻酔薬の鎮痛効果を高めて有害作用を減らし、満足度を高めるための添加剤がいくつか提案されている。研究の目的は、2017 年 1 月 1 日から 2 月 30 日にかけてエチオピアのティクルアンベッサ専門病院で下肢整形外科手術を受ける成人患者に対して、ブピバカイン単独と比較してクモ膜下ネオスチグミンを添加したブピバカインの術後鎮痛効果を評価することであった。

・この施設ベースの前向き観察コホート研究は、脊椎麻酔下で待機的下肢整形外科手術を予定しており、責任ある麻酔科医の独立した決定に基づいてブピバカイン群に分類された 60 人の成人患者を対象に実施された。患者のバイタルサインは術中に記録された。術後の鎮痛持続時間と鎮痛剤消費量、最初の鎮痛要求、100mm の視覚アナログ尺度スコアを用いた疼痛の重症度を 24 時間にわたって評価した。データの正規性は、Shapiro-Wilk 検定を使用してチェックし、正規分布データについてはスチューデント t 検定、分類データについてはχ2乗検定を使用して分析した。非正規性データは、95%CI 付きの Mann-Whitney U 検定を使用して分析され、P<0.05 をもって統計的に有意と見なした。

・ピバカイン+ネオスチグミン群(BN、n=30)とブピバカイン単独群(BS、n=30)を比較して、ネオスチグミン+ブピバカイン群の最初の鎮痛要求時間は平均±標準偏差でそれぞれ、(377.60±9.14)と(230.07±17.11)分であった。トラマドール合計消費量の中央値(四分位範囲)は、2 群間で有意差があり、ネオスチグミン群では 50(50)mg であったのに対して、ブピバカイン群で 100(50)mg であった。ネオスチグミン群では視覚アナログ尺度スコアも 1、2、3、4、5、6 時間で低かった。

・待機的下肢整形外科手術に際して、ブピバカイン 15mg への補助薬としてクモ膜下ネオスチグミン 25μg の追加は、血行動態変化や副作用をほとんどきたすことなく、初回鎮痛要求時間を延長、術後鎮痛剤消費量を減少させた。著者らは彼らの設定下では、下肢手術に際してのブピバカインに併用したクモ膜下ネオスチグミンの使用をお勧めするとしている。

[!]:ネオスチグミンの添加用量は 25 μg ということなので、ネオスチグミン 0.5mg(1ml) を 10 倍に希釈して 0.5mL をブピバカインに追加するのかな。ネオスチグミンは体性痛を軽減するのに非常に有効デキスメデトミジンある脊髄コリン作動性介在ニューロンからなる下行性疼痛抑制システムを活性化すると考えられている。

【出典】
Postoperative analgesic effect of intrathecal neostgmine added to bupivacaine for adult patients undergoing lower limb orthopedic surgery
Pharm Pharmacol Int J. 2018;6(1):36?40. DOI: 10.15406/ppij.2018.06.00152

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