《レビュー》 トラネキサム酸と帝王切開

トラネキサム酸5.pngこれまで当ブログで紹介した記事から、帝王切開とトラネキサム酸に関連した文献をまとめて紹介する。

1.帝王切開でのトラネキサム酸:二重盲式偽薬対照無作為臨床試験
帝王切開患者 223 人をトラネキサム酸群(トラネキサム酸 20cc、n=101)と対照群(5% ブドウ糖液 20cc 、n=122)に割り当て、帝王切開開始 10 分前に静脈内投与。トラネキサム酸は、術中・術後の出血量を減らした。静脈血栓塞栓症、胃腸症状、過敏症といったトラネキサム酸に起因する合併症はなかった。

2.待機的帝王切開を受ける患者の出血量に及ぼすトラネキサム酸の有効性
待機的帝王切開前にトラネキサム酸 1g を 10 分かけて静脈内投与するトラネキサム酸群(n=373)と対照群(n=363)に無作為化。平均総出血量は、研究群 241.6(SE 6.77)ml vs 対照群 510(SE 7.72)ml。ヘマトクリット及びヘモグロビン濃度の平均低下は、対照群に比べてトラネキサム酸群の方が有意に少なかった。

3.子宮下部帝王切開時の出血量減少におけるトラネキサム酸の有効性
帝王切開 20 分前にトラネキサム酸 1g を緩徐に静脈内投与するトラネキサム酸群(n=50)と対照群(n=50)に無作為化。術中:研究群 289.4±71.4mL vs 対照群 328±58.9mL(P=0.004)。胎盤娩出~分娩後 2 時間まで:研究群 360.9±110.3mL vs 対照群 443±88.55mL(P=0.0008)。トラネキサム酸の投与によって、胎盤娩出後では 1/4 程度減少。

4.トラネキサム酸は帝王切開時とその後の出血を減少させる
帝王切開患者を、麻酔導入時にトラネキサム酸 1g/2分 で投与するトラネキサム酸群(n=106)と対照群(n=106)の 2 群に無作為化。胎盤娩出~帝王切開終了まで出血量:対照群 606.8±193cc vs 研究群 369.5±198cc。術後 6 時間の経膣出血:対照群 85.0±30.7 vs 研究群 30.8±49.3cc。分娩後出血の発生率:研究群 31.1% vs 対照群 63.2%。帝王切開の周術期出血量が約 1/3 減少。

[!]:帝王切開では、執刀前のトラネキサム酸 1g の投与で、その後の出血が 1/3~1/4 減少する。

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