重症患者の気管挿管に際してのネーザルハイフロー前酸素化:無作為化臨床試験

・鼻カニューレからの高流量療法(HFNC)による前酸素化は、集中治療室(ICU)で現在広く行われている。しかし、重症ではない低酸素血症患者におけるその意義は、大規模な無作為化試験で評価されたことがない。無作為化対照試験(PROTRACH 試験)で、著者らは ICU での迅速挿管(RSI)中の重症でない低酸素血症患者おいて、HFNC vs 標準的なバッグバルブマスク酸素化(SMO)による前酸素化を評価することを目的とした。

・ICU で挿管を必要とする重症ではない低酸素血症患者を含む無作為化比較試験である。患者は、RSI 中に HFNC か、または SMO による前酸素化を受けた。喉頭鏡検査を行うために SMO を脱着したのに対し、HFNC は、挿管処置中ずっと続行した。主要評価項目は挿管手技を通して最低パルスオキシメトリ(SpO2)であった。副次評価項目には、SpO2の低下、挿管に関連した有害事象、ICU での転帰が含まれた。

・合計 192 人の患者が無作為化された。184 人の患者(HFNC n=95; SMO n=89)についての治療企図分析では、HFNC 群の最低 SpO2の中央値[IQR]は 100% [97;100]、SMO 群では 99%[95;100](P=0.30)であった。95% 以下の軽度の酸素飽和度低下は、HFNC(12%)よりも SMO(23%)の方が頻繁であった(RR 0.51、95%CI 0.26~0.99、P=0.045)。 より重篤な有害事象として、HFNC 群と SMO 群でそれぞれ 6 件(6%)と 14 件(16%)(RR 0.38, 95% CI 0.15-0.95, P?=?0.03)を含めて、SMO 群(19%)よりも HFNC 群(6%)の方が有害事象が少なかった(RR 0.31、95%CI 0.13-0.76、P=0.007)

・SMO と比較して、ICU における HFNC による前酸素化は、重症ではない低酸素血症患者の挿管中の最低 SpO2 を改善しなかったが、挿管関連有害事象の減少をもたらした。

[!]:重症ではない ICU 患者では、前酸素化においてハイフローネーザルを使用するメリットは、有害事象の減少にある。有害事象が減少したのはなぜ? 陽圧換気をしなかったからか?

【出典】
Nasal high-flow preoxygenation for endotracheal intubation in the critically ill patient: a randomized clinical trial.
Intensive Care Med. 2019 Jan 21. doi: 10.1007/s00134-019-05529-w. [Epub ahead of print]

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