重症成人患者における挿管処置に関連した心停止と死亡率:多施設共同コホート研究

・研究の目的は、ICU での挿管中の心停止の有病率と危険因子、ならびに ICU 挿管関連心停止と 28 日死亡率との関連性を調査することであった。

・フランスの ICU 64 室での前向きに収集されたデータの後ろ向き分析で、ICU で挿管を必要とした重症患者を対象とした。

・対象となった 1847 件の挿管手技の間に、49 件の心停止(2.7%)が発生し、そのうち 14 件は自己循環が回復せず(28.6%)、35 件が自己循環が回復していた(71.4%)。多変量解析では、挿管関連心停止の主な予測因子は挿管前の低血圧(収縮期血圧<90 mm Hg)(オッズ比=3.406[1.797-6.454]、p=0.0002)、挿管前の低酸素血症(オッズ比=3.991[2.101-7.583]; p<0.0001)、前酸素化なし(オッズ比=3.584[1.287-9.985]; p=0.0146)、過体重/肥満(肥満指数>25kg/m2、オッズ比= 2.005[1.017-3.951]; p=0.0445)、年齢 75 歳以上(オッズ比=2.251[1.080-4.678]; p=0.0297)であった。28 日総死亡率は 31.2%(577/1847)であり、挿管関連心停止をきたした患者では非心停止患者よりも有意に高かった(73.5% vs 30.1%、p<0.001)。多変量解析の後、挿管関連心停止は 28 日死亡率の独立危険因子であった(ハザード比=3.9[2.4-6.3]; p <0.0001)。

・ICU 挿管関連心停止は、40 回の手技のうち 1 回発生しており、直後と 28 日の高い死亡率を伴っている。心停止の 5 つの独立危険因子を同定した。そのうち 3 つは修正可能であり、挿管関連心停止の有病率と 28 日の ICU 死亡率を減少させる可能性がある。

[!]:ICU 挿管関連心停止は、40 例に 1 例か。やはり重症患者の気管挿管はやる方も命懸けだな。時間が許せば挿管手技の前に、できるだけ低血圧と低酸素状態を改善しておくこと、前酸素化は必須、肥満は大敵で最適な体位(ランプ位)を選択すること、挿管後低血圧に備えて循環作動薬を準備しておくこと。関連記事を参照。

【出典】
Cardiac Arrest and Mortality Related to Intubation Procedure in Critically Ill Adult Patients: A Multicenter Cohort Study.
Crit Care Med. 2018 Apr;46(4):532-539. doi: 10.1097/CCM.0000000000002925.

<関連記事>
集中治療室における気管挿管に関連する合併症を軽減するための介入:前向きの多施設研究

★< 重症患者の気管挿管チェックリスト >★

重症成人における気管挿管管理のガイドライン

非麻酔科医の ICU 研修者の挿管失敗を予測するのに MACOCHA スコアは妥当だ

Q:「MACOCHA スコア」とは?

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック