病棟および集中治療室における患者頭部挙上位は緊急気管挿管の合併症を減少させる

・待機的手術患者からのデータに基づいて、前酸素化と気管挿管のために患者を上体頭部挙上位にすることは、患者の安全性を改善する可能性がある。ただし、緊急時に限った独自データが不足している。著者らは、上体頭部挙上位は緊急治療室環境における気管挿管に関連した合併症の減少と関連すると仮定した。

・この後ろ向き研究はワシントン大学のヒト被検者部門(ワシントン州シアトル)によって承認された。適格な患者には、2 大学関連教育病院で麻酔科による気道サービスによって手術室外で緊急気管挿管を受ける全成人が含まれた。挿管はすべて、完全な心肺停止以外の適応があり、直接喉頭鏡によるものであった。患者の特徴と挿管手技の詳細は診療録から引き出された。試験の主要評価項目は、挿管に関連した合併症、すなわち挿管困難、低酸素血症、食道挿管、誤嚥の複合である。多変量ロジスティック回帰を使用して、事前定義された潜在的交絡因子(肥満指数と挿管困難予測スコア[Mallampati、閉塞性睡眠時無呼吸、頸部可動性、開口度、昏睡、重度低酸素血症、非麻酔科医による挿管(MACOCHA)スコア)で調整して、仰臥位 vs 上体頭部居上位で主要評価項目のオッズを推定した。

・528 人の患者が分析された。全体として、挿管関連合併症が少なくとも 1 つ発生したのは、上体頭部挙上位で管理された患者では 18/192(9.3%)であったのに比較して、仰臥位で管理された患者では 76/336(22.6%)であった。肥満指数と MACHOCHA スコアで調整後、上体頭部居上位で、主要評価項目に遭遇するオッズは、0.47(95% 信頼区間、0.26-0.83、P=0.01)であった。

・緊急気管挿管時に、患者を仰臥位と比較して上体頭部挙上位にすることは、気道関連合併症の減少したオッズと関連していた。
画像
処置者がどのようにして患者を 30°の上体頭部挙上位(BUHE)にするかを指示した図。患者の頭部は、ベッドのマットレス上に平らにするべきである。必要であれば、患者はベッドの頭側に向かって動くように一時的にトレンデレンブルク体位になる(1)。 患者がまだトレンデレンブルク体位にある状態で、背中を水平面より少なくとも 30°以上に持ち上げ(2)、外耳道が胸骨切痕と同じ高さになるまで、何枚かのタオルや巻いたタオル(図に示す)または枕を使用して、頭部を「スニッフィング位」に置きます(3)。 S=水平仰臥位。★ベッドの折り目 --- 水平方向の参照。

[!]:上体挙上してスニッフィング位にすると、気道関連合併症が半減すると。この論文で扱っている体位は、back-up head-elevated(BUHE) position で、肥満患者に適しているとされるランプ(ramp)体位とほぼ同じか? 「上体頭部挙上位」と訳してみた。

【出典】
Head-Elevated Patient Positioning Decreases Complications of Emergent Tracheal Intubation in the Ward and Intensive Care Unit
Anesth Analg. 2016 Apr;122(4):1101-7. doi: 10.1213/ANE.0000000000001184.

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Q:ランプ・ポジション(ramp position)とは?

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