ICU での挿管のための 4 種の前酸素化法の有効性比較:MACMAN trial の後ろ向き分析

・重度の低酸素血症は気管挿管中の最もよくある重篤な有害事象である。予防策として、前酸素化が日常的に行われている。様々な入手可能な前酸素化器具の相対的な有効性は不明である。ここでは、著者らの目的は気管挿管中の前酸素化器具とパルスオキシメトリ値との関連性を評価することであった。

・フランスの ICU 7 施設で実施された集中治療での気管挿管のためのビデオ喉頭鏡検査 vs マッキントッシュ喉頭鏡検査を比較した多施設無作為化比較優位性試験(McGrath Mac ビデオ喉頭鏡 vs マッキントッシュ喉頭鏡[MACMAN])から得たデータの事後分析である。MACMAN 試験に含まれた気管挿管を必要とする 371 人の重症患者のうち 319 人を対象とした。気管挿管中のパルスオキシメトリ最低値が主要評価項目であった。著者らはまた、パルスオキシメトリ<90% の危険因子を調査した。319 人の患者のうち、前酸素化のために、157 人(49%)がバッグバルブマスク、71 人(22%)が非侵襲的換気、71 人(22%)が非再呼吸用マスク、20 人(7%)が経鼻高流量酸素を使用された。

・パルスオキシメトリ最低値と独立して関連する要因は、簡易急性生理学スコア(SAPS) II 重症度スコア(p=0.03)、ベースラインパルスオキシメトリ(p <0.001)、ベースライン PaO2/FIO2比(p=0.02)、喉頭鏡検査回数(p=0.001)であった。パルスオキシメトリ<90% の唯一の独立予測因子は、ベースラインのパルスオキシメトリ(オッズ比、0.71; 95%CI、0.64-0.79; p<0.001)と前酸素化器具であり、バッグバルブマスクを参照値とすると、オッズ比は、非再呼吸マスクで 1.10(95%CI、0.25-4.92)、非侵襲的換気で 0.10(95%CI、0.01-0.80)、経鼻高流量酸素で 5.75(95%CI、1.15-28.75)であった。

・著者らのデータは、気管挿管中の低酸素血症の主な決定要因が重症疾患の重症度と既存の低酸素血症に関連している可能性があることを示唆している。前酸素化法の差から、著明な低酸素血症患者では、気管挿管前に非侵襲的換気が優先されるべきであることを示唆している。現在進行中の研究によって、重症患者の気管挿管に際しての最適な前酸素化法についてさらに明確になるであろう。

[!]:低酸素血症となる危険性からすると、NPPV<BVM<非再呼吸マスク<ネーザルハイフロー。重症低酸素症の患者に挿管するのなら、前酸素化法としては NPPV を行うべきである。ネーザルハイフローでは挿管時の低酸素を防げない。

【出典】
Compared Efficacy of Four Preoxygenation Methods for Intubation in the ICU: Retrospective Analysis of McGrath Mac Videolaryngoscope Versus Macintosh Laryngoscope (MACMAN) Trial Data.
Crit Care Med. 2019 Jan 30. doi: 10.1097/CCM.0000000000003656. [Epub ahead of print]

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