非心臓手術における麻酔科医のトラネキサム酸使用の調査

トラネキサム酸3.png・非心臓手術における大出血はよく見られ、重篤な合併症と関連している。抗線維素溶解薬であるトラネキサム酸(TXA)は出血を減らし、これらの合併症のリスクを減らす可能性がある。TXA はまた、手術部位感染を減らすことのできる免疫調節効果がある可能性もある。非心臓手術における TXA の臨床試験は、その有効性と安全性を評価するには不十分である。そこで、非心臓手術におけるその使用の大規模な無作為化比較試験が必要である。

・前向きの臨床試験が実行可能かつ許容できるものであることを確認するために、著者らはオーストラリアとニュージーランドの麻酔科医フェロー(ANZCA)の調査を行った。著者らの目的は、TXA 投与の現在のパターンを確認し、患者を静脈内 TXA か、またはプラセボに無作為化することの許容性を評価することであった。12 項目の調査が 1001 人の ANZCA フェローに電子メールで送られた。

・289 件の回答があり、分析された(回答率 29%)。回答者の 98% が非心臓手術で静脈内 TXA を使用していた。 67% が下肢関節形成術に対して TXA をルーチンに投与し、それよりは少ないが脊椎手術(40%)や他の主要整形外科手術(28%)に TXA を投与していた。ほぼ半数(49%)が、大きな外傷手術に対しては TXA をルーチンに投与している。36% が、大血管手術、腹部手術、骨盤手術、胸部手術には TXA を投与しなかったことを示した。大多数は TXA を単回固定用量として投与した。57% が非心臓手術における周術期 TXA の相対的なリスクと利益について不確実性があることに同意し、87% が非心臓手術における周術期 TXA の安全性と有効性を調査する大規模な決定的な試験が必要であることに同意した。

・これらの結果は、ANZCA フェローにとって非心臓手術における TXA の使用は非常に多様であること、TXA の安全性と有効性については不確実性があること、そして大規模な試験が受け入れられることを示している。

[!]:トラネキサム酸は、手術ならなんでもかんでも必要というわけではなく、血管結紮では止血しにくい浸み出すような出血がある場合には投与した方がいいのだろう。

【出典】
A survey of anaesthetists' use of tranexamic acid in noncardiac surgery.
Anaesth Intensive Care. 2019 Jan;47(1):76-84. doi: 10.1177/0310057X18811977. Epub 2019 Feb 13.

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  • Q:トラネキサム酸はどういった手術で使用するべきか?

    Excerpt: A:日本麻酔科学会が提供している「麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン 第3版 第 4 訂 2015.3.13」の「XII その他 5.血液凝固に関する薬物」では、トラネキサム酸の「適応」の項に、.. Weblog: 麻酔科勤務医のお勉強日記 racked: 2019-03-16 08:38