成人心臓手術における高用量 vs 低用量オピオイド麻酔:メタ分析

・著者らは、心臓手術での高用量オピオイド麻酔と低用量オピオイド麻酔の系統的比較を行った。無作為化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ分析。

・対象は、全身麻酔を使用して心臓手術を受けた 1400 人の成人患者であった。2018 年 5 月までに公開された全身麻酔を用いた成人心臓手術中の様々な用量の静脈内オピオイド(モルヒネ、フェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル)の効果を比較した全ての RCT(ヒト対象からのデータを報告した全文英語の記事)が含まれた。主要評価項目は集中治療室(ICU)在室期間(LOS)であった。副次評価項目は、人工呼吸時間、昇圧薬の使用、周術期心筋梗塞、周術期脳梗塞、病院 LOS であった。

・18 件の論文が含まれた(1400 人の患者)。高用量か、または低用量のオピオイド(短時間作用型および長時間作用型の両方)を用いた研究間で ICU LOS に差はなかった(標準平均差[SMD]-0.02、95%CI:-0.15-0.11、P=0.74)。同様に、副次評価項目としての人工呼吸時間(SMD-0.27、95%CI:-0.63-0.09、P=0.14)、昇圧剤の使用(OR 0.61、95%CI:0.29-1.30、P=0.20)、心筋梗塞(リスク差 0.00、95%CI:-0.02-0.03、P=0.70)、脳梗塞(RD 0.00、95%CI:-0.01-0.01、P=0.92)、病院 LOS(SMD 0.03、95%CI) :-0.26~-0.33、P=0.84)に差はなかった。メタ回帰では、年齢、性別、オピオイドの種類による群間の差への影響はなかった。

・著者らのデータは、低用量オピオイドは、短時間作用型と長時間作用型の両薬剤で、患者の臨床的特徴や使用したオピオイドの種類とは無関係に、成人心臓手術患者に使用するのに安全かつ効果的であることを示唆している。昨今のオピオイドのまん延を考慮して、心臓手術患者には低用量のオピオイド麻酔を考慮する必要がある。

[!]:昔は大量フェンタニル麻酔と称して、フェンタニルを 50~100ml 程度も使用していた時代があるが、現在では多くても 20 ml 程度かな。

【出典】
High-dose versus low-dose opioid anesthesia in adult cardiac surgery: A meta-analysis.
J Clin Anesth. 2019 Mar 11;57:57-62. doi: 10.1016/j.jclinane.2019.03.009. [Epub ahead of print]

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