脊椎麻酔による低血圧は、高齢患者の一回拍出量の減少によって引き起こされる

・低血圧は脊椎麻酔(SA)中によく見られ、全身血管抵抗(SVR)および/または心拍出量(CO)の減少によって引き起こされる。高齢患者における CO の変化に対するクモ膜下投与されたブピバカインの用量の効果は、ほとんど知られていない。本研究では、クモ膜下ブピバカインの 2 つの異なる投与量の効果を研究することにより、高齢患者における SA が血行動態に及ぼす効果を調べた。

・本前向きコホート研究には、SA 下に手術予定の年齢 65 歳以上の患者 64 人が含まれた。患者はブピバカイン 15 mg(中用量[MD]群)か、またはブピバカイン 10 mg+スフェンタニル 5μg(低用量[LD]群)のいずれかを投与された。指カフを使用した非侵襲的連続監視装置である Nexfin(R)を使用して、血圧と CO を術中ずっと監視した。

・33 人の患者が MD を受け、31人の患者が LD を投与されたが、群間でベースライン血行動態に平均差はなかった。平均して、CO は MD 群で11.6%、LD 群で 10.0% 減少した。SVR に大きな変化はなかった。臨床的に意義のある一回拍出量(SV)の減少(ベースラインから 15% 以上)の発生率は、MD 群で 67%、LD 群で 45% であった(P<0.05)。

・高齢患者では、CO と血圧は SA 発現後に有意に減少した。これは主に SV の減少によるもので、SVR の減少によるものではない。ブピバカイン 10、または 15 mg の投与量間で CO と血圧の変化に差はなかった。

[!]:高齢者では脊椎麻酔時の血圧低下は、末梢血管抵抗の低下ではなく一回拍出量の低下によると。一回拍出量の低下は、脊椎麻酔の効果範囲から考えて、心臓支配の交感神経の抑制と考えるよりは、「脊椎麻酔→下半身支配の血管運動神経の遮断→下半身のの静脈拡張→血液のプーリング→心臓への静脈還流の減少→一回拍出量の低下」とうメカニズムを考えた方が妥当だな。

【出典】
Spinal anesthesia-induced hypotension is caused by a decrease in stroke volume in elderly patients.
Local Reg Anesth. 2019 Mar 4;12:19-26. doi: 10.2147/LRA.S193925. eCollection 2019.

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