脊椎麻酔中に投与されたトラネキサム酸に関連した破局的な薬物過誤

トラネキサム酸2.png・著者らは、トラネキサム酸の偶発的な脊柱管内への投与をレビューした。1960 年から 2018 年までに硬膜外または脊椎麻酔中にトラネキサム酸を投与した症例を MEDLINE で検索した。

・硬膜外投与の報告は確認されなかった。21 例の脊髄クモ膜下へのトラネキサム酸投与を確認した。蘇生および/または集中治療を必要とする、生命を脅かす神経学的および/または心臓の合併症が 20 人の患者で発生した。10 人の患者が死亡した。寄与因子を分析するためにヒューマンファクター分析分類システムモデルを使用し、神経軸性薬物過誤の減少に関する 4 つの公表された勧告を使用して報告を評価した。

・20 例では、アンプル誤認が原因であった。最後の症例では、脊椎クモ膜下カテーテルが静脈カテーテルと間違えられた。すべてスキルベースのエラーとして分類された。組織の方針、薬の調剤と保管、脊椎麻酔業務の準備に関連するいくつかの人的要因があった。

・公表されている 4 つの推奨事項を実践することで、全ての間違いを防ぐことができただろう。

[!]:トラネキサム酸のクモ膜下投与のほとんどが蘇生や集中治療を必要とし、死亡率は 50% と非常に高率である。外国では、トラネキサム酸とブピバカンのアンプルがよく似ている場合があるそうだ。

■ 「公表されている 4 つの推奨事項」とは?
以下のプロセスを実施することで、この種の薬物過誤の危険性を減らすことができると考えられる。
(1)薬を吸ったり注射したりする前に、薬剤アンプルや注射器のラベルを注意深く読む。
(2)全ての注射器を標識(ラベリング)する。
(3)薬剤を作成または投与する前に、第 2 の人や装置(コンピュータにリンクされたバーコードリーダーなど)でラベルをチェックする。
(4)全ての硬膜外/脊椎/脊椎硬膜併用器具に非ルアーロックコネクタを使用する。
これらのプロセスを日常的に使用することで薬物過誤が減少するかどうかを判断するには、さらなる研究が必要である。
Obstetric Neuraxial Drug Administration Errors: A Quantitative and Qualitative Analytical Review.
Anesth Analg. 2015 Dec;121(6):1570-7. doi: 10.1213/ANE.0000000000000938.

【出典】
Catastrophic drug errors involving tranexamic acid administered during spinal anaesthesia.
Anaesthesia. 2019 Apr 15. doi: 10.1111/anae.14662. [Epub ahead of print]

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この記事へのコメント

偽麻酔医屋
2019年04月22日 23:34
トラネキサム酸、あまり怖い薬という印象はなかったです。
痙攣がよくわからないが多いと言うことは見たことありますが。くも膜下腔には何にせよ、間違った薬を入れると非常に危ないという事は意識しなければならないですね。そう言えば昔、臨床量をはるかに超えるモルヒネをくも膜下腔に入れてしまい、痙攣が起きた話を読んだ覚えが?

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