高齢患者の意識喪失に際してのプロポフォールの ED95 に及ぼすレミフェンタニルとミダゾラムの効果

・高齢者は初期分布容量の減少とプロポフォールに対する感受性の増加のためにプロポフォールによって引き起こされる血行動態的不安定性に対してより脆弱である。ミダゾラムやレミフェンタニルは、それらのプロポフォールとの相乗効果または相加効果、健忘性および交感神経刺激の遮断のためにしばしば同時投与されうる。しかしながら、オピオイドやベンゾジアゼピンを含む他の薬剤と一緒に投与された場合の、高齢患者の意識消失に及ぼすプロポフォールの適切な用量を確認した研究はない。

・全身麻酔を予定されている年齢 65 歳以上の患者を登録した。患者はコンピューターで作成された無作為化表を用いて 3 群に無作為化:P 群(プロポフォール)の患者は意識消失のためにプロポフォールのみを受け、PR 群(プロポフォール+ミフェンタニル)の患者はプロポフォールの前にレミフェンタニルを投与され、PMR 群(プロポフォール+ミダゾラム+レミフェンタニル)の患者はプロミフォールの前にレミフェンタニルとミダゾラムを投与された。プロポフォール投与後、睫毛反射と言語反応の両方の消失を成功とした。各群にでの意識消失に対するプロポフォールの 95% 有効量(これは主要評価項目であった)は、修正バイアスコイン上下法を用いて決定された。

・合計 120 人の患者が 3 群に無作為に割り付けられた(n=40)。意識消失に対するプロポフォールの 95% 有効用量は、P 群、PR 群、PMR 群でそれぞれ 1.13、0.87、0.72 mg/kg であった。PMR 群の平均血圧(MBP)は、P 群に比べて、プロポフォール注射前(P=0.041)、ならびに、プロポフォール投与後 2 分(P=0.005)、プロポフォール投与後 3 分(P<0.001)に有意に減少した。しかし他の時点で群間差はなかった。

・高齢患者の意識消失に対するプロポフォールの有効量は、ミダゾラムの併用無しの場合とありの場合とで、レミフェンタニル前処置を使用した場合、それぞれ 23% と 36% 減少した。しかしながら、MBP の減少はプロポフォール単独よりもレミフェンタニルとミダゾラム前処置の方が大きかった。これらの所見は、高齢患者でレミフェンタニル併用プロポフォール注入に際し、ミダゾラムによる前治療は、導入中の血行動態的不安定性をきたすため慎重に使用されるべきであることを示唆している。

[!]:プロポフォール導入に際して、レミフェンタニルを併用すると、プロポフォールの意識消失必要量は、23% 減少、さらにミダゾラムを併用すると 36% も減少する。昔の論文で、フェンタニルを 1ng/ml 併用した場合には、気管挿管に必要なプロポフォール投与量は、31~34% 減量できるとされている。

【出典】
Effect of remifentanil and midazolam on ED95 of propofol for loss of consciousness in elderly patients: A randomized, clinical trial.
Medicine (Baltimore). 2019 Apr;98(16):e15132. doi: 10.1097/MD.0000000000015132.

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Q:麻酔導入に必要なプロポフォール用量とフェンタニルの関係は?

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