Q:声門上気道器具の具体例とは?

現在、声門上気道器具は、少なくとも第一世代と、第二世代以上に分類されている。
第一世代とは、高度または特殊な特徴を持たない気道チューブだけを有している標準的な声門上気道器具。
第二世代とは、気道気密性が向上しており、ある程度の陽圧換気に耐えられ、また、消化管(食道、胃)へのアクセスチャンネルを有していたり、逆流や誤嚥を防止する機能を有している声門上気道器具を指す。
いくつかの分類法が提唱されているが、「第三世代」という言葉の意味するところに専門家の合意はない。

■ Classic laryngeal mask airway(cLMA、LMA Classic)(第一世代)
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・オートクレーブ処理後、最大 40 回まで再利用可能(リユーザブル)。
・時の試練に耐え、毎日世界中で使われている。
・気管挿管に比べて、挿入留置が容易、迅速で、麻酔薬濃度は低くても可。
・咽喉疼痛が少ない。
・口咽頭リーク圧が低い。
・胃吹送の頻度が高い。
・1 万超症例の調査で、挿入をあきらめて気管挿管に変更せざるを得ない確率は、0.2%。

■ LMA unique(第一世代)
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・オートクレーブ後の cLMA には蛋白質沈着物を認め、プリオンなどの感染症の懸念から開発された cLMA のディスポーザブル版である。
・臨床成績は、cLMA と同様。
・1.5万超症例の調査で、挿入失敗率は 1.1%。
・平均口咽頭シール圧は、17~22cmH2O。

■ LMA flexible(第一世代)
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・カフ形状はそのままに、チューブの部分を金属らせん入りの細長い柔軟なチューブ(wire-reinforced tube)にしたもの。
・眼科、耳鼻咽喉科、歯科などの頚部手術に有用で、位置ずれを起こしにくい。
・挿入がやや難しい。

■ Intubating LMA (Fastrach)(第一世代)
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・気管チューブよりも挿入が容易で、その後、チューブ ID=8mm までの盲目的挿管が可能。
・他の SAD と同様に人工換気可能。
・本器具を介しての挿管成功率は約 96%。
・リユーザブルで登場したが、ディスポーザブル版が出ている。

■ LMA proseal (PLMA) (第二世代)
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・リユーザブル。
・cLMA のデザインを改良して、良好な気道シールが得られる。
・第 2 の背面カフによってマスクが腹側に押し当てられて、口咽頭シール圧が 27 cmH2O と高くなっており陽圧換気に適している。
・食道排液管(ドレーンチューブ)によって消化管へのアクセスを可能とした初めての LMA。
・一体型バイトブロック (LMA ProSeal サイズ 1 を除く) により、気道閉塞やチューブ損傷の危険性が低い。

■ LMA supreme (SLMA)(第二世代)
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・PLMA の進化型で、二重形成により補強されたカフ先端構造のため挿入時にカフ先端の折れ曲がりが防がれ、軸の高い曲率のために挿入が容易で、留置が安定している。
・30 cmH2O までの陽圧換気が可能。
・ディスポーザブル。
・PLMA と同様に胃管が留置可能。
・PLMA に劣らず、cLMA よりも優れた臨床成績が得られている。

■ LMA Protector(第二世代)
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・LMA シリーズの最進化型で、ディスポーザブル。
・ドレナージチャネルが 2 つあり、近位端でポートが別れている。
・吸引チューブはオス吸引ポートに取り付けられ、上部食道括約筋による胃液の除去を可能にする。
・胃管はメスドレナージポートに挿入し胃内容物の排出を可能にする。
・メスドレナージポートを介したドレナージチャネルにより、挿入後、正しい位置に留置されているか監視でき、使用中のマスクのずれも継続的に監視できる。
・挿入が容易で、指やイントロデューサーツールのガイドが必要ない。
・気管チューブ挿入用導管としても使用可能。

■ AMBU AuraGain(第二世代)
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・胃管が留置可能。
・気管チューブ挿入用導管としても使用可能。
・ディスポーザブル。
・迅速な留置を確実にするオリジナルの解剖学的曲線。
・ビルトインバイトブロック。
・ファイバースコープをガイドするためのナビゲーションマーク
・シーリング圧は40 cmH2O。

■ air-Q(第一世代)
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・新生児から大柄な大人まで各サイズをラインナップ
・新生児・乳幼児の気道構造の違いを考慮し、新生児・乳幼児サイズはカフが別デザイン。
・ディスポーザブルとリユーサブルの両タイプがあり、リユースタイプは 60 回滅菌可能。
・気管チューブ挿入用導管としても使用可能。
・食道上部管理機能として、胃管を挿入するチャンネルを有しているタイプもある(air-Qブロッカー)(第二世代)。
・自己膨張型カフでカフ圧管理が必要ないタイプもある(air-Q SP)。

■ Combitube(第二世代)
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・気管チューブと胃管の特徴を兼ね備え、2 つのカフを備えた使い捨てのダブルルーメンチューブ。
・近位側の大きなカフは舌根部に適合し、遠位側カフは小さい。
・盲目的に挿入するようにデザインされており、先端は通常は食道内に、稀に気管内に挿入される。
・いずれかのチューブに換気回路を接続すれば、換気が達成できる。
・緊急時、特に院外での使用に限られ、全身麻酔用には推奨されない。
・ディスポーザブル。
・第一世代よりも前に開発されていたが、第二世代に分類される?

■ King laryngeal tube (LT) and king laryngeal tube suction II (LTS-II)
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・LT は、口咽頭カフと食道カフを備えた単純な気道チューブで構成されている(第一世代)。
・2 つのカフの間に開口部があり、喉頭へのガス通過を可能にしている。
・LTS-II は、遠位カフのさらに遠位側で食道に開口する 第二のルーメンを有する(第二世代)。
・その使用は、Combitube と同様に、緊急時、挿管や換気ができない場合にのみ推奨される。
・ディスポーザブル

■ Cobra perilaryngeal airway(第一世代)
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・先端は蛇の頭のような形をしており、障害物を避けながら換気を可能にする格子がある。
・先端直近に大容量の低圧咽頭カフもある。
・挿入の容易さの点では cLMA と同様であるが、シール圧は高い。
・気管チューブ挿入用導管としても使用可能。
・ディスポーザブル

■ Streamlined liner of the pharynx airway (SLIPA) (第二世代)
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・咽頭にはまり込むようにあらかじめ整形されたカフなし器具である。
・軟口蓋と舌根に合うようにそれじれかかとと小隆起が付いている。
・50mL までの胃からの排液を貯えることができる中空の部屋を備えている。
・短短時間の全身麻酔処置のために設計された。
・挿入の容易と迅速性、挿入成功率と口咽頭シール圧に関して、cLMA や PLMA に劣らないことが証明されている。
・ディスポーザブル

■ i-Gel (第二世代)
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・予め整形されたカフなし器具で、ゲル様材料で作られており、挿入後に解剖学的表面に適応する。
・胃管を挿入するためのチャネルもある。
・cLMA と比べて、挿入の容易さと迅速性、全体的な挿入成功率が優れていることが示されている。
・全身麻酔中に PLMA と比較したメタアナリシスでは、i-Gel を使用した場合、口咽頭リーク圧と胃管挿入成功率は同様であったが、挿入所用時間は短く、咽喉疼痛発生率は低かった。
・気管チューブ挿入用導管としても使用可能。
・ディスポーザブル

■ Baska mask(第二世代)
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・これは根本的に異なったシーリングメカニズムの最新の装置の 1 つである。
・気道内腔と連続している非膨張性カフを有しており、カフの過膨張の問題も回避しながら、陽圧換気による膨張を可能にする。
・cLMA よりも密閉性が良好である(150 人の患者の研究では 40 vs 22 cm H2O)が、挿入が困難であり、挿入試行回数が多くなることが証明されている。
・上部食道に位置する大きな遠位開口部で終わる 2 つの胃ドレーンチューブ。
・バイトブロック。
・ディスポーザブル

■ 3gLM(第二世代)
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・Baska mask のように、陽圧で解剖学的構造に適応する非膨張性カフを有している。
・2 つの胃管チャンネルがある。
・挿入成功率は 92.5%、平均口咽頭シール圧は 27 cm H2O。
・ディスポーザブル

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