待機的帝王切開術中の脊椎麻酔後低血圧の治療のためのフェニレフリンとノルアドレナリンのボーラス投与

ノルアドレナリン7.png・フェニレフリンは現在、待機的帝王切開術中に選択される血管拡張薬であるが、それは反射性徐脈を引き起こす可能性がある。強力なα作動薬および弱いβ作動薬であるノルアドレナリンは、徐脈の発生率の低下と関連している可能性がある。ただし、比較情報は限られている。

・この二重盲式無作為化対照試験では、合併症のない単胎妊娠の女性における待機的帝王切開術中の脊椎麻酔後低血圧の治療のためのボーラスとして投与された 100μg フェニレフリンと 5μg ノルアドレナリンの効果を比較した。低血圧は、ベースラインの収縮期動脈圧からの 20% 以上の減少、または絶対値<100 mmHg と定義された。90 人の女性が本研究に含まれた。主要評価項目は、母体徐脈<60 拍/分の発生率であった。

・徐脈の発生率(フェニレフリン投与群で 37.8%、ノルアドレナリン投与群で 22.2%; p=0.167)、最初の低血圧発症の治療に必要なボーラス投与回数、反応性高血圧症に差はなかった。使用されたボーラスの総回数はフェニレフリン群の方が多かった(p=0.01)。昇圧薬投与 1 分後の母体の心拍数は、フェニレフリンの方が、ノルアドレナリンを使用した場合よりも、有意ではないが低かった(p=0.034、p<0.01 を統計的に有意とみなす)。臍帯動脈血 pH は、ノルアドレナリンよりもフェニレフリンを使用した方が高かった(p=0.034)。

・結論として、両血管収縮薬は母体徐脈に統計的に有意な差を示すことなく脊椎麻酔後低血圧を拮抗した。しかし、ノルアドレナリンを使用した場合の臍帯動脈血の低い pH を考慮すると、その胎盤移行と胎児の代謝効果を研究するためにさらなる研究がなされてしかるべきである。

[!]:フェニレフリンに代わって、ノルアドレナリンが注目されているが、母体徐脈は発生率がやや少なくなるものの、胎児への影響として、臍帯動脈血 pH が低くなる可能性があるようだ。

【出典】
A randomised controlled trial of phenylephrine and noradrenaline boluses for treatment of postspinal hypotension during elective caesarean section.
Anaesthesia. 2019 May 1. doi: 10.1111/anae.14675. [Epub ahead of print]

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