麻酔中の酸素化障害:年齢と体重の影響

<このトピックについてすでに知っていること>:麻酔中、特に高齢者や肥満者では酸素化が障害されるが、そのメカニズムは不確定である。

<この記事が教えてくれる新しいこと>:プールされたデータは、複数の不活性ガス除去法とコンピューター断層撮影で研究された 80 人の患者から調べられた。酸素化は麻酔によって障害されたが、年齢や肥満指数が大きいほど、酸素化は悪化した。主な要因は、高齢者では低換気/血流比(おそらく気道閉鎖)、肥満ではシャント(無気肺)であった。

<要旨>
・麻酔は高齢者や過体重の患者でますます一般的であり、動脈血酸素分圧(PaO2)の年齢と体重に依存した悪化メカニズムを調査するべく今回の研究が行われた。

・これは、以下を満たす患者からプールしたデータの一次分析である;(1)ASA 分類 1、(2)努力肺活量が正常、(3)吸入酸素酸素濃度(FIO2)>0.8 の前酸素化と FIO2 0.3~0.4 で換気、
(4)手術前の麻酔中に行われた測定。80 人の患者(年齢 21~69 歳、肥満指数 30kg/m2 までの 21 人の女性と 59 人の男性)で、換気の不十分な領域(低換気/血流比[VA/Q])のシャントと灌流を評価するために複数の不活性ガス除去法と無気肺を評価するためのコンピュータ断層撮影法を用いて研究した。

・PaO2/FIO2は、覚醒時よりも麻酔時のほうが低く(368; 291~470 [中央値;四分位数] vs 441; 397~462 mmHg; P=0.003)、年齢と肥満指数の増加に伴い減少した。対数シャントは、年齢の二次関数と最もよく関連しており(r2=0.17、P=0.001)、年齢 45 歳で最大のシャントを有していた。対数シャントは肥満度指数と直線的に関連していた(r2=0.15、P<0.001)。年齢、年齢2と肥満指数を含む重回帰分析により、関連性がさらに強化された(r2=0.27)。シャントは無気肺と高度に関連していた(r2=0.58、P<0.001)。対数 低 VA/Q は年齢に対して線形関係を示した(r2=0.14、P=0.001)。

・PaO2/FIO2 比は麻酔中に障害され、その程度は年齢と肥満指数とともに増加した。シャントは無気肺に関連しており、中年患者における酸素化障害のより重要な原因であったが、気道閉鎖に起因すると思われる低 VA/Q は高齢患者においてより重要であった。低 VA/Q ではなくシャントが、肥満指数の増加とともに増加した。したがって、加齢と肥満指数の増加は、麻酔中に異なるメカニズムによってガス交換を障害した。

[!]:加齢は換気血流比不均衡により、肥満は(無気肺による)シャントによって酸素化が障害される。

【出典】
Oxygenation Impairment during Anesthesia: Influence of Age and Body Weight.
Anesthesiology. 2019 Apr 24. doi: 10.1097/ALN.0000000000002693. [Epub ahead of print]

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