外傷患者におけるトラネキサム酸の入院前投与:レベル 1 外傷センターでの 1:1 対応比較試験

トラネキサム酸3.png・本研究の目的は、死亡、血栓塞栓症、輸血の必要性について、外傷患者に対するトラネキサム酸(TXA)の入院前投与の有効性をレベル 1 外傷センターで試験することであった。

・2017 年 1 月から 2018 年 9 月までに、入院前 TXA を受けた、または受けていない成人外傷患者を比較して後ろ向き研究を行った。TXA を投与されていないが入院の 4 時間以内に搬送された患者は、年齢、性別、外傷重症度スコア、簡易頭部外傷スコア、入院前の心拍数と収縮期血圧で、TXA 治療を受けた患者と 1:1 にマッチされた。

・合計 204 人の患者(102 人の TXA 投与群と 102 人の対照群)が含まれ、平均年齢は 31 歳であった。入院時、ショック指数(p=0.03)と血清乳酸(p=0.001)は対照群の方が大きかったが、初期塩基欠乏、ヘモグロビン値と EMS 時間は両群で同程度であった。TXA 投与後のショック指数≧0.9 に対するオッズ比(OR)は 0.44(95%CI 0.23~0.84)であった。輸血量の中央値[8 単位(範囲 1~40) vs 3(範囲0~40)、p=0.01]、大量輸血の使用[OR 0.35(95%CI) 0.19~0.67)]は対照群の方が多かった。TXA 群の方が、VTE は多かった[OR 2.0(95%CI 0.37~11.40)]。一方、全体的な死亡率は、統計的有意差に達することはなかったが低かった[OR 0.78(95%CI 0.42~1.45)]。

・入院前の TXA 投与は院内輸血と大量輸血プロトコル(MTP)の減少に関連している。血栓塞栓症および死亡率の有意な増加はないが、大規模臨床試験でのさらなる評価が必要である。

[!]:トラネキサム酸は病院前投与でも有効なようだ。ドクターカーやドクターヘリでないと、日本ではまだまだ 10 年先でも無理だろうけど。

【出典】
Prehospital administration of tranexamic acid in trauma patients: A 1:1 matched comparative study from a level 1 trauma center.
Am J Emerg Med. 2019 Apr 30. pii: S0735-6757(19)30293-1. doi: 10.1016/j.ajem.2019.04.051. [Epub ahead of print]

<関連記事>
外傷患者でのトラネキサム酸の病院前投与の有効性:無作為化比較試験のメタ分析

出血している外傷患者でのトラネキサム酸の早期投与の重要性:CRASH-2無作為対照試験の探索解析

トラネキサム酸: 外傷からルーチンの周術期使用まで

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック