股関節骨折のための非待機的手術を受ける高齢患者における術後せん妄、機能的状態、死亡率の臨床的予測因子

・研究の目的は、高齢手術患者集団における入院患者の非待機的股関節骨折手術に関連する罹患率と死亡率に影響を及ぼしうる修正可能な術前因子を同定することであった。

・米国外科学会手術の質改善プログラム高齢手術パイロットプロジェクトから得たデータベースの後ろ向き分析。対象は非待機的股関節修復手術を受ける高齢患者で、術前の人口統計学的、内科的、外科的、麻酔科的変数。術後せん妄の発生率、機能状態の低下、30 日間死亡率を測定した。

・本研究の 1261 人の患者は主に女性(74%)、白人(89%)、非ヒスパニック系(92%)であった。年齢は 65 歳から 90 歳以上の群に分散していた。ほとんどの患者は、ASA-PS クラス 3(64%)に分類された。全身麻酔(57%)が最も多い麻酔法であり、次に脊椎(38%)が続いた。術前の機能的状態は、79% で日常生活活動(ADL)は独立していると記録されていた。患者の約 3 分の 1 がベースライン認知症であった。術後、42% がせん妄をきたし、ほとんどの患者は ADL の部分的または全般的な支援を必要とした(それぞれ 72% と 12%)。再手術は 2.8% の症例で必要とされた。30 日死亡率は 5.0% であった。多変量解析では、術後せん妄に関連した危険因子には認知症と、同意書に署名する能力の欠如が含まれた。術後の機能的状態の低下に関する分析では、主な危険因子は転倒歴であり、緊急手術は保護的であった。30 日での死亡率の分析は不十分であった。

・高齢者の股関節骨折は依然として罹患の主な原因である。ベースライン認知症と手術同意書に署名できないことは、股関節部骨折後の有害転帰の重大な危険因子であり、説明と同意プロセスで考慮されるべきである。本研究と現在進行中の無作為化試験からのデータは、この集団における罹患率と死亡率の減少を導くのに役立つであろう。

[!]:米国でも日本と同様に、人口の高齢化に伴って、高齢者の大腿骨頸部骨折と認知症がどんどん増えている。

【出典】
Clinical predictors of postoperative delirium, functional status, and mortality in geriatric patients undergoing non-elective surgery for hip fracture.
J Clin Anesth. 2019 May 14;58:61-71. doi: 10.1016/j.jclinane.2019.05.010. [Epub ahead of print]

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