スガマデクスを用いた重症慢性腎臓病患者におけるロクロニウムによる筋肉弛緩からの回復時間の延長

腎尿路系.png・血漿クレアチニン濃度により推定される腎機能障害がロクロニウムにより誘発される残存筋弛緩(RNMB)の危険性を増大させること、そして様々な程度の腎機能障害下でのスガマデクス(SGDX)の投与量と筋弛緩からの回復との間にはおそらくなんら関連性がないであろうことが知られている。しかしながら、糸球体濾過率(eGFR)によって推定された腎機能に基づいて、RNMB と腎機能障害との関係についての報告はない。そこで、eGFR に よる慢性腎臓病(CKD)重症度分類に基づいて、セボフルラン(SEV)麻酔下の患者で、TOF モニタリングを使用して、TOF 1 カウントと TOF 比 100% の時間間隔を測定することによって、回復に要した時間を比較することによってロクロニウムに対する SGDX の効果を評価した。

・今回の研究のために、当院で全身麻酔下に手術を受けた 27 人の成人患者を選択した。被験者を 2 群に分けた:重度の腎不全患者(R 群、n=13、eGFR 値<15 の重症 CKD グループのレッドゾーンで現在透析を受けている患者)と正常患者からなる対照グループ腎機能(N 群、ン=14、eGFR 値>90)。

気管挿管用に 2 mg/kg のプロポフォールと 0.8 mg/kg のロクロニウムを用いて麻酔を両群に導入し、SEV 麻酔で維持した。適切なロクロニウム投与量の追加により TOF カウント 1 状態を維持した。手術終了時に TOF カウント1 の値を確認した後、純酸素を投与し、次いで 4mg/kg の DGDX を 5 秒間かけてゆっくり静脈内注射した。TOF カウント 1 と TOF 比 100% の間の時間間隔を測定した。

・患者の年齢、身長、体重に関して両群間に有意差は観察されなかった。R 群で SGDX によって誘発された筋弛緩からの回復に要した時間の間に統計的に有意差(t 検定)が観察された[266±186(平均±SD)] vs 146±87 秒; P=0.039]。

・eGFR 値に基づいて SGDX を用いた場合、TOF カウント 1 から TOF 比 100% までの筋弛緩回復時間は、重症 CKD 患者において、SEV 麻酔中にロクロニウムから回復する正常群患者よりも長いことがわかった。したがって、著者らは、ロクロニウムを重度 CKD 患者に慎重に使用するべきであることを勧めている。

[!]:ちょっと古い論文だけど。eGFR が低下している患者では、スガマデクスによる筋弛緩の拮抗には時間がかかると。

【出典】
Prolonged recovery time from muscle relaxation due to rocuronium in patients with severe chronic renal disease using sugammadex
重症慢性腎臓病患者におけるスガマデクスを用いたロクロニウムによる筋肉弛緩からの回復時間の延長

European Journal of Anaesthesiology (EJA): June 2014 - Volume 31 - Issue - p 152

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