《レビュー》 SAD を気管挿管用導管として使用した研究:盲目的挿管

当ブログでこれまでに紹介した「SAD を気管挿管用導管として使用した研究」のうち、「盲目的挿管」についての研究をまとめてレビューした。
1.気管挿管用導管としての声門上気道器具 i-gel と LMAFastrach の比較
初回試行における気管挿管の成功率は I 群で 66%、F 群で 74% であったが、気管挿管の全体的な成功率は I 群では 82% であったのに対して、F 群では 96% であった。LMA Fastrach を介しての気管挿管成功所用時間は(20.96 秒)、i-gel(24.04 秒)と比較して短かった。i-gel は挿入が迅速であるために、レスキュー換気には良好な器具であるが、LMA Fastrach と比較して挿管用器具としては劣っている。

2.I-gel 対 ILMA を通しての気管挿管時の血行動態変化と容易さ
I-gel とILMA Fastrach を通して盲目的気管挿管を行い血行力学的変化と容易さを比較した。I-gel の挿入・抜去に要した時間は、ILMA と比較して有意に短かったが、それを通して気管挿管するのに要した時間はわずかに長かった。I-gel 声門上器具は、血行力学的変化が少なく、咽喉痛や気道外傷発生率も低く、ILMA と同程度に気管挿管用の良い導管となることが分かった。

3.挿管困難予想の麻酔患者で i-gel+Magill チューブと sILMA+ILMA チューブを盲目挿管
i-gel を通して Magill PVC チューブを使用した場合と、使い捨て挿管用ラリンジアルマスク(sILMA)を通して sILMA PVC チューブを使用した場合とで、盲目的気管挿管の成功率を比較。sILMAを通しての盲目的挿管成功率(69%)の方が、 i-gel(15%)よりも高かった(P<0.001)。sILMA に sILMA チューブを通す盲目的気管挿管は、i-gel に Magill PVC チューブを通す場合に比べて非常に成功率が高い。i-gel を通しての盲目的挿管は、成功率が低いので推奨しない。

4.全身麻酔下に待機手術予定患者で盲目的気管チューブ挿入の補助として ILMA と CobraPLA
盲目的気管挿管を容易にするパイプとして Cobra Perilaryngeal Airway(CPLA)の性能に関して、Intubating Laryngeal Mask Airway(ILMA)と比較した。Ⅰ群では CPLA を通してカフ付ポリ塩化ビニル(PVC)チューブで、Ⅱ群では ILMA を通して ILMA-気管チューブで盲目的挿管が行われた。挿管成功率(CPLA;87% vs ILMA;;90%)(p=1)試技数、ファイバー・スコアは群間で同様であった。CPLA がカフ付 PVC チューブでの盲目的気管挿管の効果的導管として使用でき、気管挿管において ILMA による挿管に相当する有効性を持つと結論する。

5.挿管用ラリンジアルマスク FASTRACH と Ambu Aura-i による盲目的挿管の比較
Fastrach のシングルユースと Ambu Aura-i でを盲目的挿管を比較した。1 回目と 2 回目の試行における Fastrach の気管挿管の成功率は、Ambu Aura-i と比較して有意に良好であった。気管挿管もまた有意に速く(14.1±4.4 秒 vs 21.3±9.0 秒;p<0.01)、Fastrach 器具を用いた挿管成功後のマスク除去の時間間隔は有意に短かった(24.0±8.2 秒 vs 29.4±7.5 秒、p<0.001)。両ラリンジアルマスク器具は換気と酸素供給に適している。盲目的挿管は LMA Fastrach の方が依然として優位で、Ambu Aura-i は盲目的挿管には適していない。

6.ILMA と Air-Q を通しての盲目的気管挿管の比較
154 人の健康成人の気管挿管の導管とし て LMA Fastrach vs Air-Q を評価した。2 回の試技後の盲目的挿管成功数は、LMA Fastrach 群の患者で 75/76(99%)、対して Air-Q 群で60/78(77%)であった(差異の 95%CI=32~12%;p<0.0001)。3 回目の試技ではファイバー補助下に挿管した。3 回の試技後の挿管成功率は、LMA Fastrach 群で 100%、Air-Q 群で 95% であった。盲目的気管挿管を容易にする導管として、ディスポの LMA Fastrach は、Air-Q に比して優れているようだ。

7.挿管用導管としての i-gel:3 種類の気管チューブの比較
i-gel を介した気管挿管に際して、PVC ETT は、ILMA ETT および Flexible ETT と比較して、初回試行の成功率が最も高く、所要時間が最短であった。

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