《レビュー》 SAD を気管挿管用導管として使用した研究:ファイバー挿管

SGA を介したファイバー挿管
【SGA 同士で比較】
挿管困難予想の麻酔患者で i-gel+Magill チューブと sILMA+ILMA チューブをファイバー挿管
挿管困難が予想される患者で、標準的な RushPVC 気管チューブを i-gel に通した場合と、ディスポの ILMA(sILMA)気管チューブを sILMA に通した場合とで、ファイバー・ガイド下の気管挿管を評価。i-gel を使った場合の初回試技でのファイバー・ガイド下の挿管は 76 人の患者(96%)で、sILMA を使った場合には 71 人の患者(90%)で成功した (P=0.21)。標準的な Rush 気管チューブを i-gel に通してのファイバー・ガイド下挿管はうまく行き、sILMA 気管チューブ+sILMA の代替手段となる。

i-gel vs LMA Protector 声門上気道器具を通したファイバーガイド下気管挿管
i-gel と LMA Protector を介したファイバー挿管を比較している。データ分析は i-gel 群の 92 人の患者と、LMA Protector 群の 86 人の患者について行われた。2 群間で気管挿管成功率、声門視野、気管挿管の容易さに有意差はなかった。LMA Protector がファイバー挿管用導管として i-gel に匹敵することを証明している。

声門上器具:Ambu AuraGain LM vs LMA Fastrach をファイバー挿管で比較
Ambu AuraGain LM と LMA Fastrach をファイバー挿管で比較した。完全な筋弛緩下の、既知の気道病変がない患者に使用した場合、AuraGain LM は、Fastrach LMA よりも優れた喉頭アライメントを達成し、ファイバーガイド下 ETT 挿管がより迅速で、簡単に、成功率が高いことを示している。

小児の気管挿管に際し麻酔科研修医が挿管ガイドとして使用した場合の i-gel vs air-Q
96 人の小児は、麻酔科研修医による、i-gel か air-Q のいずれかのファイバー挿管を受けるよう無作為化された。air-Q に比較して、i-gel の方が、気管挿管後の器具抜去中に多くの問題が発生し、気管チューブのバイロット・バルーンの破損(それぞれ、n=0 vs n=13、P<0.001)、不慮の抜管(それぞれ、n=1 vs n=5、P<0.001)気管チューブの操作困難(それぞれ、n=0 vs n=21、P<0.001)があった。著者らの仮説に反して、air-Q と i-gel 声門上気道器具は、経験の少ない研修医によって実施された場合、小児のファイバー・ガイドの気管挿管に際して効果的な導管として機能した。しかし、i-gel の方が、気管挿管後の器具の抜去時に多くの問題が発生した。

筋弛緩麻酔下の成人男性における Ambu AuraGain LM vs LMA Protector
患者 98 名を AuraGain か、または Protector 群に割り当てた。40mL カフ容積での口咽頭リーク圧であった。経器具挿管成功、挿管時間、挿管試行回数、気管チューブを進めた時の抵抗などの副次評価項目を調査した。口腔咽頭リーク圧の平均(SD)は AuraGain では 30.1(6)cmH2O、LMA Protector では 28.2(7)cmH2O であった(P=0.142)。ラリンジアルマスク挿入試行回数は、AuraGain 群の方が多かった(P=0.002)。挿管時間は、AuraGain 群の方が短く(15.7秒 vs 18.5秒[Protector 群];P=0.004)、LMA Protector と比較してAuraGain の方が、気管チューブを進めるときの抵抗が少なかった(P<0.001)。気管チューブのファイバーガイド留置、挿管の試行回数、術後合併症に群間差はなかった。

声門上気道を通した高度肥満患者のファイバー挿管:Ambu AuraGain vs i-gel
44 人の高度肥満患者を AuraGain か、または i-gel 群に無作為に割り当て、器具を介した 5 分間の換気が成功した後、経器具挿管時間を測定した。AuraGain(R) の平均(SD)挿管時間は55.7(5.8)秒であり、i-gel(R) マスクでは 54.1(8.5)秒(95% CI -2.7 - 5.9、P=0.474)で、それぞれの平均 BMI は AuraGain 群で 39.4kg/m2、i-gel 群で 38.9kg/m2 であった。両声門上気道器具による挿管時間は同様であった。

小児気管挿管用の導管として Aura-i と air-Q 挿管用喉頭エアウェイを比較する無作為試験
Aura-i と air-Q 挿管用喉頭エアウェイ(air-Q)でファイバー挿管を比較。120 人の小児を、Aura-i か air-Q を使用するよう無作為化され、体重に応じて等しい 3 群に分けた。全ての患者で、器具留置、気管挿管、気管挿管後器具除去は成功した。Aura-i (32.9±13.3秒)と air-Q (33.9±13秒)の間で、気管挿管成功に要した時間(p=0.68)と、ファイバー視野グレードに差はなかった。1 群(5-10kg)で、リーク圧は、air-Q(23.4±7.2cm H2O)の方が、Aura-i (16.1±5.2cmH2O)よりも高かった(p=0.001)。

【SGA 単独での評価】
幼児での気管挿管用の導管としての Air-Q 挿管用ラリンジアルマスクの評価:予備研究
Air-Q挿管用ラリンジアル(ILA)は、困難気道の小児で気管挿管の導管として使用され成功を収めている。今回、幼児におけるその気道確保および挿管用の導管としての使用を評価した。ILAサイズ 1.0 と 1.5 を各々 10 人ずつの幼児に挿入した。ILAは、正常気道を有する幼児で FOB ガイド下挿管の安全で使いやすい声門上気道器具である。ILA の挿入と抜去は容易で、口咽頭シール圧と換気は満足できる。

挿管困難な小児患者での気管挿管のための導管としての air-Q ILA の後ろ向き評価
気道確保困難のある一連の 34 人の小児の全患者で、air-Q ILA を気管挿管の導管として使用して成功した。3症例では予期しない困難気道であり、残りは頭蓋顔面症候群(n=21)、頸椎不安定性または不動症(n=7)、気道出血(n=3)の結果としての予期された困難気道であった。視覚化するテクニックを併用した方が、小児では喉頭蓋のダウンフォールディングの可能性があるので、ILAを通しての気管挿管の成功率を上げることができるかもしれない。

小児で気管挿管のための導管としての Intubating Laryngeal Airway(ILA)の臨床評価
健康小児100人を本前向き研究で、air-Q ILA留置、ファイバー気管挿管、ILA抜去は、全患者で成功した。大きな患者の方がファイバー視認性が良い傾向がある。小さな患者ほど、喉頭蓋のダウンフォールディングの発生頻度が高いので、この器具を通して気管挿管するには気管支ファイバー補助下に行なうのが推奨される。

i-gel を通してのファイバー挿管を評価する研究
待機的手術となった 60 人の患者で、i-gel を介したファイバー挿管を行うことの実現可能性を調査した。i-gel は、挿入が容易で、初回試技での成功率は良好で、挿入時間も許容できる。i-gel 経由の気管チューブ留置は、症例の 91.4% で容易であった。i-gel を介したファイバー挿管の成功率も許容範囲であった。

既知の困難気道のある患者で挿管用導管としての LMA-Supreme :前向き評価研究
LMA-Supreme は、直接には挿管チューブを挿入することができないので、Aintree 挿管カテーテルを装着した気管支ファイバーを気管へと通過させた後、気管支ファイバーと LMA-Supreme を除去して、気管チューブを Aintree 挿管カテーテルに外装して気管に挿入した。23 人全患者で気管挿管は成功した。


[!]:挿管用導管として使用できる SGA には、LMA Fastrack、LMA Protector, i-gel、Air-Q、Aura-i、AuraGain などがあるが、このうち第二世代(胃管挿入用チャンネルのあるもの)は、LMA Protector、i-gel、AuraGain。

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