血中乳酸濃度の術中の変化は、人工心肺による心臓手術後の短期的転帰不良と関連している

・周術期の血中乳酸濃度高値は、心臓手術後の予後不良に関連すると報告されている。単独の乳酸ピーク値よりも、術中の血中乳酸値の変化(ΔLact)を考慮に入れるほうが興味深いはずである。本大規模後ろ向き研究では、ΔLact と集中治療室での総合併症率と 30 日全死因死亡率との関係を評価した。

・2010 年 9 月から 2016 年 6 月までに人工心肺併用心臓手術を受けた連続患者から得た周術期データを、臨床的、輸血および臨床医によって前向きに実施された臨床検査結果を含む当院データベースを通して後ろ向きに分析した。血中乳酸濃度は、最初は麻酔導入後(ベースライン)、術中は定期的に測定した。ΔLact は、術中の最高血中乳酸値とベースライン乳酸値との差として定義され、患者を 4 つのサブ群に分類した:≦0、0.1~0.9、1~1.9、≧2 mmol/L。

・研究期間中に適格と認められた 7,795 人の患者から、7,447 人の患者が分析された。著者らの患者の ΔLact の中央値は 0.6(0.3~1)mmol/L であった。研究患者のほとんど(65.9%)は ΔLact= 0.1~0.9 mmol/L を示した。ΔLact と集中治療室合併症率と 30 日死亡率との間に濃度依存的な関係が見られた。共変数を調整した後、全ての ΔLact>0 が集中治療室での総合併症率の増加と関連していた。1mmol/L 以上の増加で、ΔLact と 30 日死亡率との間にも独立した関係が見られた。

・著者らの結果は、ΔLact が成人心臓手術患者の短期的予後不良と関連していることを示唆している。

[!]:人工心肺心臓手術で、ベースラインからの乳酸値の変化は、短期的予後不良と関連していると。乳酸値の基準値は、成人では 0.44~1.78mmol/L(4~16mg/dL)であり、mg/dL 単位から mmol/L への換算係数は 0.111。乳酸が 10mg/dL 以上増加するようだと予後不良を意味するということだな。

【出典】
Intraoperative changes in blood lactate levels are associated with worse short-term outcomes after cardiac surgery with cardiopulmonary bypass.
Perfusion. 2019 Jun 28:267659119855857. doi: 10.1177/0267659119855857. [Epub ahead of print]

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