成人の全身麻酔後の術後認知機能障害とせん妄に及ぼすデキサメタゾンの効果:無作為化対照試験のメタ分析

デキサメタゾン1.png・術後認知機能障害(POCD)や術後せん妄(POD)に及ぼすデキサメタゾンの効果を調べた研究がいくつかある。しかし、それらの結論は矛盾している。そこで、全身麻酔後の成人における POCD と POD に及ぼすデキサメタゾンの効果を調査するために、メタ分析を行った。

・Cochrane Library の Cochrane Central Register of Controlled Trials(2018 年 11 月 17 日に検索)、MEDLINE OvidSP(1946 年から 2018 年 11 月 16 日)、Embase OvidSP(1974 年から 2018 年 11 月 16 日)で、全身麻酔下の成人(年齢 18 歳以上)でデキサメタゾン投与後の POCD と POD の発生率を評価した無作為化比較試験を検索した。エビデンスの質を評価するために、GRADE を使用した。

・5 件の研究が含まれた(3 件の研究は POCD の発生率に対して、デキサメタゾン群に 855 人の参加者と、プラセボ群で 538 人の参加者があり、2 件の研究は POD の発生率に対して、デキサメタゾン群 410 人の参加者とプラセボ群 420 人の参加者を含んだ)。手術 30 日後の POCD の発生率(RR[相対リスク]1.00; 95%CI[信頼区間:0.51、1.96]、P=1.00、I2 =77%)、または POD の発生率(RR 0.96; 95%CI [0.68、1.35]、P=0.80、I2=0%)に関して、デキサメタゾン群とプラセボ群との間に有意差はなかった。しかしながら、いずれの分析も、限られたエビデンスと臨床上の異質性のために、いくつかの限界があり、著者らは POCD および POD の術後発生率についてのエビデンスの質は非常に低いと考えた。

・このメタ分析により、予防的デキサメタゾンは POCD および POD の発生率を低下させないことが明らかになった。POCD および POD に対する代替予防戦略の試み、ならびにそれらの複雑な症候群の病態生理学のより良い理解は、この分野で進歩を遂げるために依然として必要である。

[!]:術後認知機能障害と術後せん妄に対する予防的デキサメタゾンの投与は無効であったと。

【出典】
Effects of dexamethasone on post-operative cognitive dysfunction and delirium in adults following general anaesthesia: a meta-analysis of randomised controlled trials.
BMC Anesthesiol. 2019 Jun 29;19(1):113. doi: 10.1186/s12871-019-0783-x.

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