人工心肺回路充填液へのマンニトールの使用 -前向き無作為化二重盲式臨床試験

20%マンニットール・300(ラベル変更後).jpg・成人心臓手術で人工心肺(CPB)回路の最適な充填液はまだ明らかではない。心臓手術におけるマンニトールの役割について明確なコンセンサスがないという事実にもかかわらず、マンニトールは、CPB の回路充填液として広く使用されている。本研究の目的は、CPB 回路充填液におけるマンニトールの効果を調査することであった。

・本前向き無作為化二重盲式試験では、冠状動脈バイパス術を受けた心機能と腎機能が正常な 40 人の患者を対象とした。一方の群は酢酸リンゲル液による回路充填液(n=20)を、他群は酢酸リンゲル液と 200mL のマンニトールとからなる回路充填液(n=20)を使用した。浸透圧、酸塩基平衡状態、電解質、腎臓関連パラメータの変化をモニターした。

・酢酸リンゲル液群とマンニトール群間に浸透圧に有意差は見られなかった。マンニトール群は、麻酔開始時の 138.7±2.8 mmol/L から CPB 開始後の 133.9±2.6 mmol/L まで、ナトリウム値の著しい減少を示した(p<0.001)。マンニトールが術中尿産生に及ぼす短期的効果を除いて、群間で腎臓パラメータに差は見られなかった(p=0.003)。

・著者らは、正常な心機能と腎機能を有する患者では、酢酸リンゲル液ベースの回路充填液と比較して、マンニトール含有回路充填液が浸透圧に及ぼす効果をなんら観察しなかった。回路充填液にマンニトールを使用すると、ナトリウム値が短時間で有意に低下した。

POINT人工心肺の回路充填液にマンニトールがしばしば使用されているが、酢酸リンゲル液単独と比較してなんら有意な腎機能改善効果はなかったと。マンニトールによる浸透圧の上昇によって、細胞内液から水が細胞外液相に移動するために、浸透圧は急速に元の値に近づき、Na 値が低下する。
【出典】
The Use of Mannitol in Cardiopulmonary Bypass Prime Solution - Prospective Randomized Double-blind Clinical Trial.
Acta Anaesthesiol Scand. 2019 Jul 9. doi: 10.1111/aas.13445. [Epub ahead of print]


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