全ての患者に低一回換気量?

人工呼吸の最初の記載以来、この形態の生命維持の好ましい効果と好ましからざる効果に対する我々の理解は進化し続けてきた。肺の「正常な」通気および「正常な」血液ガス測定値を維持するために、患者は、健常な自発呼吸成人で予想されるよりもはるかに高い気道内圧と一回換気量を必要とすることが多い。人工呼吸の初期の頃は、目的は血液ガスを正常化することであったが、ここ数十年中に、我々は人工呼吸の有害な影響をもっとよく理解してきた。我々は、一回換気量が少ないと、実際には酸素化を悪化させ、二酸化炭素の排泄を減少させることがあるが、人工呼吸によって引き起こされる傷害度を減少させる可能性があることを見出した。これは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の場合において最もよく説明され合意されているが、全身麻酔を受ける正常肺患者や ARDS 以外の人工呼吸を必要とする他の肺疾患患者において、高い一回換気量の使用は有害であることをまずます多くのエビデンスが示唆している。最終的に、自己誘導性肺障害の概念が、大きな一回換気量を達成するために大きな胸腔内陰圧を発生させる患者が肺障害の悪化に寄与し得るメカニズムとして浮上した。支持するエビデンスが増えていることを考えると、著者らは、肺障害を有するかまたは何らかの理由で人工呼吸を受ける全患者において、少ない一回換気量の人工呼吸を達成するための努力がなされることを提案する。

[!]:ARDS 患者に限らず、人工呼吸が必要な場合には、人工換気による肺障害を最小限とするために、普遍的に低一回換気量とするのが理にかなっているようだ。

【出典】
Low Tidal Volumes for Everyone?
Chest. 2019 Jun 27. pii: S0012-3692(19)31235-8. doi: 10.1016/j.chest.2019.06.007. [Epub ahead of print]

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この記事へのコメント

silkhat
2019年07月05日 21:34
自分はいつも一律に6-7ml/kgでやってますが、ASA-PS 1にも適用する意味あるのかなーと悩む事がありました。この文献からすると、誰に用いても悪くはないってことなんですかね。先生はどうなさってますか?
SRHAD-KNIGHT
2019年07月06日 05:44
silkhat さま、コメントありがとうございます。

単に低1回換気量とするだけでは、かえって肺によくないという研究結果もいくつかあったので、私は、個人的には、1回換気量は 8ml/kg 理想体重で、PEEP 3-5cm 程度としています。
2019年07月06日 17:56
お返事ありがとうございます。とあるICUのトップランナーたる先生が「今時7cc/kg以上でやってる人いるの?」とか言ってましたが、まぁ極端なのも考えものですよね…PEEPは概ね同じです、5〜3くらいで。
2016年のガイドラインですかね?SSI的には酸素80%が良いんだよ、肺合併症も増えないよ、みたいな流れになってきていますが…ついこないだまでは酸素は毒とか言ってたのに、コロコロ変わるもんだなぁと翻弄されてます。