帝王切開後の術後鎮痛とストレス反応に対するクモ膜下デキスメデトミジン vs 硫酸マグネシウム: 無作為化対照二重盲式試験

・無作為化二重盲式比較試験で、90 人の参加者を 3 群に分けた。全患者にクモ膜下高比重ブピバカイン 12.5mg を投与した。C 群ではクモ膜下ブロックに 0.9%NaCl を、D 群ではデキスメデトミジン 5μg を、M 群では MgSO4 50mg を加えた。視覚アナログスケール(VAS)スコア、ストレスホルモンは術後の 12 時間以内に評価され、知覚ブロック、新生児転帰も評価した。
・VASスコアは D 群と M 群で有意に低かった。術後疼痛の発現は D 群で有意に延長した。ストレスホルモンは術中と術後期に全群で増加したが、それらの値は他群と比較して D 群で有意に低かった。新生児の転帰について差は認めなかった。
・帝王切開中のクモ膜下デキスメデトミジンは、鎮痛の持続時間、疼痛の重症度、ストレスホルモン値に関して、クモ膜下 MgSO4 よりも優れている。デキスメデトミジンは、MgSO4 と比較して、効果発現が急速で、知覚ブロックの持続時間が長くなる。妊婦や新生児に重大な悪影響はない。
POINT帝王切開に際しての脊椎麻酔にデキスメデトミジンと硫酸マグネシウムをブピバカインの補助薬として使用したが、デキスメデトミジンの方が鎮痛持続時間が長く、鎮痛効果が高かった。
【出典】
Intrathecal dexmedetomidine versus magnesium sulfate for postoperative analgesia and stress response after cesarean delivery; randomized controlled double-blind study.
Eur J Pain. 2019 Aug 28. doi: 10.1002/ejp.1476. [Epub ahead of print]
Intrathecal dexmedetomidine versus magnesium sulfate for postoperative analgesia and stress response after cesarean delivery; randomized controlled double-blind study.
Eur J Pain. 2019 Aug 28. doi: 10.1002/ejp.1476. [Epub ahead of print]
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