人工心肺心臓手術を受けた患者に及ぼすプロポフォールとセボフルランの効果の比較

人工心肺装置.jpg・研究の目的は、人工心肺(CPB)による心臓手術を受ける患者の転帰に及ぼすプロポフォールとセボフルランの効果を比較することであった。

・2015 年 1 月から 2017 年 6 月までに当院で CPB による心臓手術を受ける合計 110 人の患者を無作為に 2 群(n=55)に分けた:A 群では麻酔をセボフルランで維持、B 群では麻酔をプロポフォールで維持した。2 群間の周術期の MMSE スコア、周術期検査値、術後認知機能障害(POCD)発生率、有害事象の発生率を比較した。

MMSE スコアはA 群の麻酔後よりも B 群の方が有意に高かった(p<0.05)。脳損傷マーカーであるニューロン特異的エノラーゼ、S100β、マトリックスメタロプロテイナーゼ 9 の血清濃度は、A 群よりも B 群の方が有意に低かった(p<0.05)。術後 12 時間と 24 時間での POCD 発生率は A 群よりも B 群の方が有意に低かった(p<0.05)。2 群間で低心拍出量と開胸止血術の発生率に有意差はなかった。

・CPB による心臓手術時に、セボフルランと比較して、プロポフォールの使用は、有害反応のリスクを増大させることなく術後認知機能を効率的に改善する可能性がある。

POINT従来、心臓手術においては、セボフルランによる心保護作用が示されてきたが、プロポフォールにも脳保護作用がある可能性が示された。
【出典】
Comparison of effects of propofol versus sevoflurane for patients undergoing cardiopulmonary bypass cardiac surgery.
Pak J Med Sci. 2019 Jul-Aug;35(4):1072-1075. doi: 10.12669/pjms.35.4.1279.
memo

MMSE(Mini Mental State Examination)は、日本語では「ミニメンタルステート検査」。10 ~ 15 分程度の短時間で認知機能障害の有無をスクリーニングするための検査。米国フォルスタイン夫妻が入院患者の認知障害を測定する目的で作成、1975 年に公開された。認知症のスクリーニング検査としては、世界的にもっともよく活用されている。日本語版は、2006 年に杉下守弘医師が翻訳した「MMSE-J」がある。MMSE の評価項目は 11 問で、見当識や単語の記銘、計算、図形の描画などで構成され 30 点満点。≦23 点:「認知症の疑い」、≦27 点:「軽度認知障害(MCI)の疑い」と判断される。




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