乳児の麻酔導入中の低酸素血症、徐脈、喉頭鏡検査複数回試行:単施設、後ろ向き研究

<このトピックについては既に知っていること>:乳児の気管挿管の成功は、年長の小児や成人と比べて解剖学的構造や生理学が異なるため、習得が難しい技術である可能性がある

<この記事が教えてくれる新しいこと>:小児科四次大学関連施設で、待機的気管挿管を受ける健康な乳児の 16% で複数回の喉頭鏡検査が行われた。また、麻酔導入時に酸素飽和度測定値<90% と定義した低酸素血症の発生率が 35% あり、複数回喉頭鏡検査と低酸素血症との間に関連性のエビデンスがあった。

<要旨>
乳児の挿管.png・乳児の気道は、喉頭鏡検査の反復試行による外傷に対して特に脆弱である。麻酔下の乳児における待機的気管挿管に関連する合併症は過小評価されている可能性がある。著者らは、麻酔乳児の本研究を実施して、待機的気管挿管中の複数回喉頭鏡検査の発生率を調査し、喉頭鏡検査試行と低酸素血症および徐脈の関連を評価した。

・2015 年 1 月 24 日から 2016 年 8 月 1 日までに、経口気管挿管のために直接喉頭鏡検査を受けた麻酔乳児(月齢 12 ヶ月以下)の後ろ向きコホート研究を実施した。挿管困難の既往と緊急処置は除外した。著者らの主要評価項目は、麻酔導入時の低酸素血症または徐脈の発生率であった。著者らは、喉頭鏡検査試行回数と主要評価項目との関係を、年齢、体重、ASA-PS、人員配置モデル、遭遇場所を調整しつつ評価した。

・合計 1,341 人の患者が選択基準を満たし、16%(n=208)が複数回喉頭鏡検査を試みられた。低酸素血症の発生率は 35%(n=469)であり、徐脈は 8.9%(n=119)であった。低酸素血症と徐脈は、患者の 3.7%(n=50)で発生した。喉頭鏡検査複数回試行は、低酸素血症のリスク増加と関連していた(調整オッズ比:1.78、95%CI:1.30〜2.43、P<0.001)。喉頭鏡検査複数回試行と徐脈との間に関連性はなかった(調整済みオッズ比:1.23、95%CI:0.74〜2.03、P=0.255)。

・四次大学関連施設で、待機的な気管挿管を受ける健康な乳児は、喉頭鏡検査複数回試行と関連する低酸素血症エピソードの発生率が高かった。

乳児では気管挿管に関連した低酸素血症や徐脈の発生率が意外と高い。症例数が少ないために、麻酔専門医もなかなか習熟するのに時間がかかるのだろう。


【出典】
Hypoxemia, Bradycardia, and Multiple Laryngoscopy Attempts during Anesthetic Induction in Infants: A Single-center, Retrospective Study.
Anesthesiology. 2019 Jul 10. doi: 10.1097/ALN.0000000000002847. [Epub ahead of print]

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