ASA の身体状態と 48 時間後の術後死亡率との関連:過去のコホートと比較した現代のデータセット分析

・本研究では、ASA-身体状態(ASA PS)分類と待機的手術および緊急手術の両方について 48 時間死亡率との関連性を大規模現代データセット(2009〜2014 年の患者)で調べ、この関連性を、1970 年に Vacanti らによって発表された画期的な研究からのデータを使って比較した。

・2009 年 1 月 1 日から 2014 年 12 月 31 日まで、米国 2 つの州にある 19 施設、244 箇所の732,704 件の連続患者について、19 施設の 233 箇所の麻酔現場で、患者の病歴、病院の特性、麻酔アプローチ、外科手術、効率と品質の指標、患者の転帰を前向きに収集し、Quantum Clinical Navigation System(QCNS)データベースに保存された。転帰(手術から 48 時間以内の死亡)は、「E」状態ラベルの有る患者と無い患者で ASA PS 指定にしたがって別々に表にされた。1970 年に米国海軍病院の成人男性を対象に、Vacanti らによって行われた画期的研究から得た歴史的コホートとの一貫性を維持するために、著者らは、待機的と緊急の手術を受けた 242,103 人の成人男性患者(E 指定あり/なし)からなる比較コホートを現代のデータセット内で作成した。歴史的および現代のコホートで ASA PS と 48 時間死亡率との関係の差を、待機的と緊急の手術を受けた患者について評価した。

・著者らは、現代の大規模コホートにおいて、約 50 年前に報告されたように、待機的手術と緊急手術を受けた患者群の両方で ASA PS が増加するにつれて死亡率が増加する方向に向かう有意な傾向を認めた(p<0.0001)。さらに、大規模な現代のコホートにおいて、48 時間での全死亡率は、待機的手術と比較して緊急手術を受ける患者群の方が有意に高かった(1.27 vs 0.03%、p<0.0001)。成人男性を対象とした歴史的コホートとの比較分析では、現代コホートで待機的治療を受けた患者では、48 時間総死亡率が有意に低いことがわかった(1970 年の 0.24% に対して現在は 0.05%、p<0.0001)が、緊急手術を受けた患者では有意に低くはなかった(1970 年の 1.22% に対して 1.88%、p<0.0001)。

・700,000 人を超える患者からなる現代のデータセットにおいて、ASA PS 指定の増加(1〜5)と手術後 48 時間以内の死亡との関連は、待機的手術と緊急手術患者の両方で有意であった。この現代データセットでは、緊急手術は手術 48 時間以内に患者が死亡するリスクが高いことと関連していた。これらのデータの傾向は、米国海軍病院の成人男性におけるASA PS と 48 時間手術死亡率との関連性を評価する画期的な研究において約 50 年前に観察されたものと同様である。比較コホートが現代のデータセットから作成され、この画期的な歴史的コホートと比較したとき、48 時間の絶対死亡率は、待機的手術では現代コホートの方が有意に低かったが、緊急手技では有意に低くはなかった。これらの調査結果の根底にある意義はまだ確定していない。
POINTASA-PS が上がるほどに、術後 48 時間以内の死亡率が高いことは、50 年前と変わっていない。

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