「ラリンジアルマスク」についての MCQ 問題


【問題】 ラリンジアルマスクについての記述で、間違っているのはどれか?

a.ラリンジアルマスクの最適カフ圧は 60cmH2O である。

b.ラリンジアルマスクに塗布する潤滑剤としてはリドカインゼリーが推奨されている。

c.ラリンジアルマスクのカフ圧は高いほど、口腔咽頭リーク圧が高くなる。

d.亜酸化窒素を使用した吸入麻酔ではラリンジアルマスクのカフ圧は次第に上昇する。

e.歴史上初めての声門上気道器具はラリンジアルマスクである。


ラリンジアルマスク.png    ▼

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【解答】間違っているのは a、b、c、e。
    a:× b:× c:× d:〇 e:×

a:(×)ラリンジアルマスクの上限カフ圧は 60cmH2O であるが、気管チューブのような最適カフ圧というのは存在しない。咽頭腔に対して十分に大きなサイズのラリンジアルマスクが挿入された場合、カフを大気圧に開放する(つまり、カフ圧=0cmH2O)だけでもシリコン製のラリンジアルマスクは自然膨張して、自発呼吸下ならリークなく換気可能である。「換気した時に漏れない最低量」というのが、カフの最適量であろう。関連記事1を参照。

b:(×)ラリンジアルマスクに塗布する潤滑剤としてはリドカインゼリーは推奨されていない。「LMA Classic™, LMA Flexible™, LMA Flexible™ Single Use および LMA Unique™ 」の取扱説明書には以下のように記載されている。関連記事2を参照。
警告: K-Y ゼリー® などの水溶性の潤滑剤を使用してください。シリコーン基材の潤滑剤は、LMA™ エアウエイのコンポーネントを劣化させるので使用しないでください。リドカインを含有する潤滑剤は、本製品に使用することは推奨されていません。リドカインは、LMA™ エアウエイを抜去する前に必要な患者の防御反射の回復を遅らせることがあり、また、アレルギー反応を誘発したり、声帯などの周辺組織に影響を及ぼしたりする可能性があるためです。


c:(×)ラリンジアルマスクのカフ圧は 60cmH2O を超えて増加させても、口咽頭リーク圧はかえって低下するために上限値とされている。関連記事1を参照。

ラリンジアルマスクのカフ圧の経時的変化.pngd:(〇)リユーザブルの LMA Classic™ はシリコン製であり、亜酸化窒素を使用した吸入麻酔ではラリンジアルマスクのカフ圧は次第に上昇する。これに対して、ディスポーブルのタイプでは、材質がポリ塩化ビニルであり、亜酸化窒素透過性が低いので、このような現象は起こらない。図は以下の文献から引用。
A Comparison of the Disposable Versus the Reusable Laryngeal Mask Airway in Paralyzed Adult Patients
Anesth Analg. 1998 Oct;87(4):921-4.

e:(×)20 世紀初頭、まだ気管挿管の失敗率が高く、危険な処置であり一般的に普及する以前、1937 年にリーチが開発し発表した「咽頭球状ガスウェイ(Pharyngeal Bulb Gasway)」が 最初の声門上気道器具である。その後ラリンジアルマスクが発表されるまでに 50 年を要した。関連記事3を参照。

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