ロピバカイン創部浸潤と静脈内フルルビプロフェンアキセチルによるマルチモーダル鎮痛は、根治的甲状腺摘出術後の鎮痛効果を高める:無作為化対照試験

甲状腺.png・甲状腺切除は軽度の外傷を引き起こすよくある手術である。それにもかかわらず、術後疼痛は依然として患者ケアにおける大きな課題である。鎮痛剤と鎮痛法の併用を含むマルチモーダル鎮痛は、術後疼痛管理に際してますます一般的になっている。本研究では、根治的甲状腺切除後のロピバカイン創部浸潤と静脈内フルルビプロフェンアキセチルの併用によるマルチモーダル鎮痛が、トラマドール単回投与よりも優れた鎮痛を提供するという仮説を検証した。

・本無作為化比較試験は、三次病院で実施された。根治的甲状腺摘除術が予定されている 44 人の患者(年齢 18〜75 歳、ASA-PSⅠ・Ⅱ、BMI<32kg/m2)は、乱数割り当てにより、マルチモーダル鎮痛剤群(M 群)か、または対照群(C 群)に無作為に割り当てれれた。40 人の患者が研究を完了した。全参加者と経過追跡観察を担当する看護師は、群割り当てを知らされなかった。麻酔は、スフェンタニル、プロポフォール、シスアトラクリウムで導入された。気管挿管後、M 群は、1:200,000(5μg/ml)エピネフリン入り 0.5%ロピバカイン 5mL による執刀前創部浸潤を受けた。C 群には創部浸潤は行わなかった。麻酔は、プロポフォール、レミフェンタニルの目標制御注入法、セボフルラン、間欠的シスアトラクリウムにより維持された。手術終了 20 分前に、M 群はフルルビプロフェンアキセチル 100 mg を投与され、C 群はトラマドール 100 μmg を投与された。術後疼痛は、数値評価尺度(NRS)疼痛スコアで評価された。レミフェンタニルの消費量、心拍数、非観血血圧が術中に記録された。有害事象が記録された。主要評価項目は、NRS スコアによる鎮痛効果であった。

・安静時の NRS スコアは、麻酔回復室から退室する前(P= 0.003)、術後 2 時間(P=0.008)、4 時間(P=0.020)、8 時間(P=0.016)で M 群の方が C 群よりも有意に低かった。M 群は、抜管後 5 分(P=0.017)、麻酔回復室から退室する前(P=0.001)、術後 2 時間(P=0.002)、4 時間(P=0.013)の時点で、咳嗽/嚥下時の NRS スコアも有意に低かった。NRS スコアは、術後 24 時間ずっと、安静時(P=0.008)と咳嗽/嚥下時(P=0.003)に、C 群と比較して、M 群の方が有意に低かった。いずれの群でも重篤な有害事象は観察されなかった。

ロピバカイン創部浸潤と静脈内フルルビプロフェンアキセチルによるマルチモーダル鎮痛は、根治的甲状腺切除後のトラマドールよりも良好な鎮痛をもたらした。

一般に、単剤、単一の鎮痛法よりも、複数の鎮痛剤、鎮痛法を組み合わせた方が有効だ。

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