喉頭鏡検査困難を予測するための前頸部軟部組織と舌の厚さの超音波測定:観察分析研究

頸部エコー検査.png・気道超音波は、喉頭鏡検査困難を予測するための新しいツールである。本研究の目的は、喉頭鏡検査困難を予測するために、舌骨、甲状舌骨膜のレベルでの前頸部軟部組織の厚さと舌の厚さの超音波測定の有用性を調査し、気道評価のための臨床パラメーターと比較することであった。

・310 人の成人手術患者で、中立位とスニッフィング位で、皮膚から舌骨まで、皮膚から甲状舌骨膜までの距離、および最大舌厚を超音波で測定し、Cormack Lehane(CL)喉頭鏡視野と関連付けた。ROC 曲線をプロットし、各パラメーターの曲線下面積を計算した。超音波ガイドのパラメーターの感度と特異度を、切歯間距離、修正マランパチ分類、甲状頤間距離、胸骨頤間距離、頸部周囲径などの臨床パラメーターと比較した。

・喉頭鏡検査困難(CL グレード III/IV)の発生率は 11.3% であった。喉頭鏡検査が簡単な場合と難しい場合とで超音波パラメーターに有意差が観察された(P=0.001)。困難気道を予測するための感度と特異度は、舌の厚さが 69.6% と 77%、中立位での皮膚から舌骨までの距離が 68% と 73% で、臨床パラメーターよりも高いことが分かった。

・気道の臨床評価に加えて、前頸部軟部組織の厚さと舌の厚さの超音波測定は、喉頭鏡検査困難の予測に役立つ。

図1:前頸部の軟部組織と舌の厚さの超音波測定
(a)皮膚から舌骨までの距離。リニアプローブを舌骨上に横において測定する。舌骨の前面は高エコーで表示され、低エコーの影を落とす。
(b)喉頭蓋は、甲状舌骨膜を通して曲線の低エコー構造として、またその前面は高エコーの前喉頭蓋腔として見える。皮膚から甲状舌骨膜までの距離は、喉頭蓋の高さで、舌骨と甲状軟骨の中間で、プローブを横において喉頭蓋前縁まで測定した。
(c)舌の厚さは、コンベックス型プローブを正中矢状面において舌表面から顎下皮膚までの最大垂直距離を測定。
前頸部気道エコー検査.png
memo

(b)図で、甲状舌骨筋を「目」、喉頭蓋を「口」と見做すと、「人の小顔」が見える(私にはピグモンの顔のように見える・・・)。small face sign と呼ぶらしい。この距離(pre-epiglottic space thickness)のカットオフ値 2.54cm 以上だと直接喉頭鏡検査で Cormack-Lehane 分類 2b 以上(感度 82%、特異度 91%)。
皮膚から喉頭蓋までの距離は、甲状舌骨膜、つまり甲状軟骨と舌骨との中間のレベルでエコープローべを気道を横断するように当てて、「ピグモン顔」が見えたところでピグモンの上唇までの距離を測定する。


通常の理学所見では、体表からの観察や、体表で測定した距離といったパラメータしか利用できないが、エコーを使えば、深さや厚みといったパラメータを利用できる。皮膚から舌骨までの距離、甲状舌骨膜までの距離、舌の厚さは、いずれも切歯間距離、甲状頤間距離、胸骨頤間距離といった従来の体表計測値よりも感度と特異度が高い。しかし、術前にルーチン検査として実施できるかどうか、それが問題だな。




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