小児の右内頸静脈カテーテル留置の解剖学的ランドマークとして胸骨角を使用

胸骨.png・小児の中心静脈カテーテルの深さを調査するために、患者の身長、体重、年齢に基づく多くの公式が存在する。ただし、この情報は緊急的状況の場合には利用できない。そこで、小児でカテーテルの位置決めをガイドする直接的な方法を考案する必要がある。

・2015 年 7 月から 2016 年 8 月までに年齢 1 歳から 10 歳までの 80 人の患者が登録され、75 人が完了した。50 人が男児で、25 人が女児であった。除外基準は、胸骨角を同定できない場合や右内頸静脈アプローチを使用できないことであった。右内頸静脈アプローチを使用してカテーテルを挿入し、皮膚穿刺点から胸骨角平面の中点までの距離を測定し、カテーテル先端をこの距離から 1 cm 引いた位置に留置した。カテーテル挿入後、これら小児に対して胸部 X 線撮影が行われた。カテーテル先端と気管分岐部の相対位置を確認し、カテーテル先端から気管分岐部までの縦方向の距離を放射線画像で計算し、関連する合併症を記録した。

全てのカテーテル先端は気管分岐部の上方にあり、カテーテル先端から気管分岐部までの平均距離は 9.8 mm であった。重篤な合併症をきたした患者はいなかった。

胸骨角は、小児の中心静脈カテーテルの位置をガイドするための有用かつ信頼性の高い解剖学的ランドマークである。このランドマークを使用すると、カテーテルは、特に緊急的な状況で、右内頸静脈の安全な位置に迅速かつタイミングよく留置できる。

この方法は、小児だけでなく成人でも同様に CV カテーテルを適切な位置に留置できる方法である。

【出典】
Using sternal angle as anatomic landmark for right internal jugular vein catheterization in pediatrics.
Acta Anaesthesiol Scand. 2019 Sep 16. doi: 10.1111/aas.13474. [Epub ahead of print]


memo

「胸骨角」とは、胸骨柄と胸骨体の接合部で、「ルイス角」とも呼ばれる。経胸腔平面またはルートヴィヒ(Ludwig)の平面としても知られている胸部平面は、縦隔を上縦隔と下縦隔に分割するために使用される人工水平面で、胸骨角から T4 下面まで延びる水平線として定義され、この平面上に気管分岐部が存在する。この平面上には、気管分岐部の他にも重要な解剖学的構造物が存在する。
RAT PLANT:「ネズミの植物」???
胸骨角平面にある解剖を覚えるためのニーモニック
Rib 2
Aortic arch
Tracheal bifurcation
Pulmonary trunck
Ligamentum arteriosum
Azygos vein
Nerves
Thoracic duct

1.R:第2肋骨が始まる高さ
2.A:大動脈弓が始まり、終わる高さ
3.T:気管分岐部
4.P:肺動脈幹が左右肺動脈に分岐
5.L:動脈管索
6.A:奇静脈が上大静脈に合流する
7.N:心臓神経叢、左反回神経が大動脈弓の下をくぐる
8.T:胸管が体正中の右側から左側へと交差するレベル

Ludwig 平面.png

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