人工膝関節全置換術における認知機能障害、ストレスバイオマーカー、麻酔種別との関連:前向き無作為化試験

認知症7.png・術後認知機能障害(POCD)は、膝関節全置換術(TKA)に伴う重症合併症であり、入院期間を長引かせ、機能障害、合併症を引き起こすことが示されている。著者らは、TKA を受ける患者で、POCD が全身麻酔または区域麻酔の使用に関連するかどうかを判断することを目的とした。著者らの仮説は、鎮静剤を使用しない区域鎮痛法を受けた群の方が POCD が減少するだろうというものであった。著者らの二つ目の仮説は、POCD が外科的ストレスのバイオマーカーと関連しているというものであった。

・2017 年 1 月から 10 月まで、大学病院単施設で、全身麻酔と脊椎麻酔との間での無作為化比較試験を実施した。合計 112 人の患者が適格性について評価され、合計 57 人の患者が研究を完了した。患者を全身麻酔と区域麻酔の群に分けた。血液検体は、術前、術中、術後 3 時間、24 時間に採取した。C 反応性タンパク質(CRP)、コルチゾール、インスリン、血糖値が検査された。4 種類の神経認知検査を使用して、手術前日、手術 7 日後、 30 日後に実施した。主要評価項目は、鎮静なしの区域麻酔群と全身麻酔群の神経認知検査スコアであった。コルチゾール、ブドウ糖、インスリン、CRP 値。

区域麻酔を受けた患者は、術後 7 日目に、全身麻酔と比較して、有意に高いミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを示した(P=0.037)。全身麻酔群では、患者はストループ数の差について有意に高い変動を示した。術後 7 日目に測定された MMSE スコアと 1 時間の術中コルチゾール測定値(r= -0.302、P=0.022)と 3 時間の術後コルチゾール測定値(r=-0.295、P=0.026)との間には負の相関があった。

TKA を受ける患者では、区域麻酔により全身麻酔よりも良好な神経認知検査スコアが得られることを示している。区域麻酔を受けた患者は、コルチゾールが低く、インスリンが高く、ブドウ糖値が低かった。著者らは、関節形成手術を受ける患者は、術後早期の POCD を回避するために区域麻酔を受けることを勧めている。
POINT周術期には全身麻酔薬を含めた鎮静剤投与を最小限とするには、脊椎麻酔や硬膜外麻酔、伝達麻酔といった区域麻酔を麻酔の主体とせざるをえない。結果として POCD を少なくできる。

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