開腹大動脈瘤手術におけるトラネキサム酸:無作為化臨床試験

腹部大動脈瘤5.png・出血と輸血は大動脈手術の死亡率に影響する。トラネキサム酸は複数の設定で出血を有意に減少させたが、大血管手術におけるその役割は研究されなかった。本研究の目的は、トラネキサム酸が開腹腹部大動脈瘤(AAA)手術の出血量を減らすかどうかを調査することであった。

・待機的開腹 AAA 修復を受けた合計 100 人の患者を無作為化して、トラネキサム酸(500 mgの負荷量と 250 mg/h の持続注入)またはプラセボを投与した。主要評価項目は術中出血量であり、副次評価項目は赤血球を輸血された患者数、血栓塞栓イベントの発生、死亡率であった。データは、治療意図の原則を使用して分析された。

・50 人の患者を無作為に各群に分けた。術中出血量の中央値(四分位範囲内)は、トラネキサム酸群では 400(300-1050)ml、プラセボ群では 500(360-1000)ml(P=0.44)であった。輸血率はトラネキサム群で 7/50(14%) vs プラセボ群で 12/50(24%)であった(P=0.20)。血栓症は記録されなかった。事後分析では、術後出血量はトラネキサム群で術後 4 時間(60[40-80]ml vs 100[60-140]ml、P<0.001)および 24 時間(180[120-275] vs 275[190-395]ml、P=0.003)の時点の両方で減少した。1 年後で、3 人の患者が死亡し、全員がプラセボ群(P=0.24)であり、全員 28 日以後に死亡した。

トラネキサム酸は開腹 AAA 修復における術中出血量や輸血を減少させなかったが、副作用を増加させることなく術後出血量を減少させる可能性がある。

トラネキサム酸は、じわーっと湧き出るような出血を減少させるが、血管から噴き出すような出血には役立たないからな。

【出典】
Tranexamic acid in open aortic aneurysm surgery: a randomised clinical trial.
Br J Anaesth. 2019 Oct 10. pii: S0007-0912(19)30682-8. doi: 10.1016/j.bja.2019.08.028. [Epub ahead of print]

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