スガマデクスの使用および関連費用の削減に及ぼす認知支援の効果:時系列分析

薬品コスト.png・著者らは、自施設へのスガマデクス導入後、医薬品コストが増加することを観察した。 スガマデクスの使用を減らす要請があった後、著者らは、拮抗薬を選択するのに役立つ認知支援を提示した。本研究の目的は、認知支援の提示後にスガマデクスの使用が変化したかどうかを調査することであった。著者の仮説は、スガマデクスの使用とそれに関連するコストが減少するというものであった。

・TOF カウントに基づいて拮抗剤投与量を提示する認知支援が開発された。これは、各調剤された拮抗剤セットと、拮抗剤を含む薬剤調剤キャビネットのビンに含まれた。医薬品請求書と麻酔記録を使用して、中断された時系列分析が実行された。主要評価項目は、スガマデクスの投与回数であった。副次評価項目には、筋弛緩薬および拮抗薬の総医薬品取得費用、有害な呼吸イベント、覚醒時間、筋弛緩薬投与回数が含まれた。

・認知支援の実施前は、スガマデクスの投与回数は、全身麻酔 1,000 件あたり 20 回の割合で一ヵ月ごとに増加していた(P<0.001)。その後、毎月の増加率は、全身麻酔薬 1,000 回あたり 4 回であった(P=0.361)。認知支援の実施から 1 ヵ月後、スガマデクスの投与回数は、全身麻酔薬 1,000 回あたり 281 回減少した(95%CI、228〜333、P<0.001)。最終試験月には、全身麻酔 1,000 件あたり予測よりも 509 回少ないスガマデクス投与があり(95%CI、366〜653、P<0.0001)、全身麻酔 1,000 件あたりの医薬品獲得費用の合計は予測よりも 11,947 ドル少なかった(95%CI、$4,043〜$19,851、P=0.003)。有害な呼吸器イベント、覚醒時間、ロクロニウム、ベクロニウム、アトラクリウムの投与に有意な変化はなかった。最終月には、スキサメトニウム投与は、全身麻酔 1,000 件あたり、予測よりも 75 回多った(95%CI、32〜119、P= 0.0008)。

拮抗薬を選択する認知支援の提示は、スガマデクスの使用と取得コストの減少をもたらした。

スガマデクスは、よく使用する麻酔関連薬剤の中でもっとも高額な薬品だから、その使用、選択においては、慎重でなくてはならない。若くて、手術対象疾患以外に既往のない元気な患者や、持続的に筋弛緩を効かした症例でも TOF≧4 まで回復していれば、伝統的なワゴスチグミン+アトロピンで十分だろう。ちなみに硫酸アトロピン(0.5mg)とワゴスチグミン(0.5mg)は共に 1A≒100 円 なので、2:4 で使用してもわずか 600 円だ。スガマデクスは 200mg バイアルが約 9000 円と 15 倍の薬価だ。15 倍の金額に相当するコストパフォーマンスがあるだろうか?

【出典】
Effect of a Cognitive Aid on Reducing Sugammadex Use and Associated Costs: A Time Series Analysis.
Anesthesiology. 2019 Nov;131(5):1036-1045. doi: 10.1097/ALN.0000000000002946.

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