認知症とアルツハイマー病の CSF バイオマーカーは、急性股関節骨折後の死亡率を予測する

大腿骨頸部骨折5.png・急性股関節骨折(AHF)術後の死亡率は高い。認知障害および/または、脳脊髄液(CSF)中のアルツハイマー病(AD)バイオマーカー値の変化は、後向き研究が示すように、AHF 患者の死亡の予測因子となるのか?

・脊椎麻酔で手術を行った 373 人の AHF 患者を含む前向き単施設試験である。認知状態は、臨床認知症評価(CDR)によって評価された。CSF は、AD バイオマーカー濃度(総タウ(T-タウ)、リン酸化タウ(P-タウ)、アミロイドベータ比(Aβ42/Aβ40)について分析した。CDR とバイオマーカー濃度は、単変量ロジスティック回帰分析を使用して、術後 1 年までの死亡率と関連付けられた。

生存分析は、死亡率が認知症の程度に関連していることを示した。患者コホート全体では、30 日、90 日、365 日の死亡率は、それぞれ7.2%、15.5%、25.5% であったが、認知能が正常の場合は、わずか 2.7%、5.5%、12.6% であったのに対して、認知症患者では、16.3%、31.7 %、42.3%(OR=2.2-2.8[CI = 1.6-4.9]、P=0.0001)であった。高 CSF T-タウ(OR=1.19[CI = 1.05-1.33]、P=0.004)と低 Aβ42/Aβ40-比(OR=0.85[CI=0.74-0.97]、P=0.017)は、90 日死亡率の増加と関連していた。4 つのサブ群(認知障害±とバイオマーカー±)の分析により、認知症と CSF バイオマーカー濃度は、AHF 後の死亡率と有意な関連性が示された。認知障害のない患者でも AD バイオマーカーが異常を示す場合には、90 日死亡率の増加を示したが、これは統計的に有意ではなかった。

認知機能障害と AD 病態を示す CSF バイオマーカー濃度の変化は、AHF 患者の死亡率の増加を予測する可能性があり、おそらく早期のバイオマーカー分析により、認知症の臨床診断前であっても可能である。これは、周術期治療と術後リハビリテーションを改善することにより、相当なな臨床的意義を有する概念である可能性がある。

認知機能低下の進行は、自己生命維持機能の低下であるから、術後の長期的転帰は当然不良となるだろう。

【出典】
Dementia and CSF-biomarkers for Alzheimer's disease predict mortality after acute hip fracture.
Acta Anaesthesiol Scand. 2019 Sep 11. doi: 10.1111/aas.13472. [Epub ahead of print]

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