区域または全身麻酔後の乳癌の再発:無作為化比較試験

乳がん.png・癌手術時に、周術期の 3 つの要因が、再発に対する宿主の防御を損なう:外科的ストレス反応、揮発性麻酔薬の使用、鎮痛のためのオピオイド。全ての要因は、区域麻酔/鎮痛により改善される。根治可能性のある乳癌の術後再発は、揮発性麻酔薬セボフルランとオピオイド鎮痛による全身麻酔よりも、傍脊椎ブロックと麻酔薬プロポフォールを使用した区域麻酔/鎮痛の方が低いという第一仮説を検証した。第二の仮説は、区域麻酔/鎮痛が持続的切開部痛を軽減するというものであった。

・アルゼンチン、オーストリア、中国、ドイツ、アイルランド、ニュージーランド、シンガポール、米国の 13 病院で無作為化対照試験を実施した。治癒可能性のある原発性乳癌切除術を受けた女性(年齢 85 歳未満)は、コンピューターによって区域麻酔/鎮痛(傍脊椎ブロックとプロポフォール)か、または全身麻酔(セボフルラン)とオピオイド鎮痛のいずれかに無作為に割り付けられた。主要評価項目は、局所または転移性の乳癌再発であった。副次評価項目は、6 ヵ月と 12 ヵ月の切開部痛であった。一次分析は、治療意図の原則の下で行われた。事前に計画された無利益境界を越えた後、研究は中止された。

・2007 年 1 月 30 日から 2018 年 1 月 18 日までに、2132 人の女性が研究に登録され、そのうち 24 人が術前に除外された。1043 人は区域麻酔/鎮痛に割り当てられ、1065 人は全身麻酔に割り当てられた。ベースライン特性は、研究群間でバランスが取れていた。追跡期間の中央値は 36 ヵ月(IQR 24-49)であった。区域麻酔/鎮痛を割り当てられた女性では、102 人(10%)の再発が報告されたが、全身麻酔を割り当てられた群では 111 人(10%)の再発が報告された(ハザード比 0.97、95%CI 0.74-1.28; p=0.84)。切開部痛は、6 ヵ月時点では、区域麻酔/鎮痛群の 856 人の患者のうち 442 人(52%)、全身麻酔群 872 人の患者のうち 456 人(52%)に、12 ヵ月時点では、それぞれ 854 人の患者のうち 239 人(28%)、852 人の患者のうち 232 人(27%)によって報告された(全体での暫定調整オッズ比 1.00、95%CI 0..85-1.17、p=0.99)。神経障害性乳房痛は麻酔法によって差がなく、6 ヵ月時点では、区域麻酔/鎮痛群 859 人の患者のうち 87 人(10%)と全身麻酔群患者 870 人のうち 89 人(10%)、12 ヵ月時点では、それぞれ、857 人のうち 57 人(7%)の患者、854人のうち 57 人(7%)の患者で報告された。

・著者らの研究集団では、区域麻酔/鎮痛(傍脊椎ブロックとプロポフォール)群は、揮発性麻酔(セボフルラン)+オピオイド群と比較して、根治可能性のある術後の乳癌再発を減少させなかった。持続的切開部胸痛の頻度と重症度は、麻酔法の影響を受けなかった。臨床医は、乳癌の再発および持続的な切開痛に関して、区域麻酔または全身麻酔を使用できる。
POINT乳癌再発の要因を軽減する麻酔法を選択しても乳癌再発を減少させることはできなかった。
【出典】
Recurrence of breast cancer after regional or general anaesthesia: a randomised controlled trial.
Lancet. 2019 Oct 18. pii: S0140-6736(19)32313-X. doi: 10.1016/S0140-6736(19)32313-X. [Epub ahead of print]

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