高齢者における麻酔の亜酸素化窒素の有無と長期的認知経過

認知症9.png・著者らは、亜酸素化窒素(N2O)を使用しない全身麻酔と比較して、N2O を使用した全身麻酔を受けた高齢者の方が全体的認知の術後の低下率が大きいという仮説を評価した。

・認知機能の縦断的測定は、Mayo Clinic Study of Aging に登録された年齢 70〜91 歳の非認知症の成人で分析された。時変共変量を伴う線形混合効果モデルは、N2O がある場合と、ない場合とで、全身麻酔下の手術(手術/GA)への曝露と、長期的認知変化の割合との関係を評価した。全体的な認知と分野固有の認知結果は、z スコアを使用して定義された。これは、障害のない集団の平均値から、標準偏差でどれくらい離れているかを測定するものである。

・分析には 1819 人の参加者が含まれた:登録後に追跡中の打ち切り前に 280 人が N2O なしの GA を受けた(中央値[四分位範囲{IQR}]追跡期間の中央値 5.4[3.9-7.9]年)。256 人が、N2O ありの GA を受けた(経過追跡 5.6[4.0-7.9]年)。1283 人は手術/GA を受けなかった(経過追跡 4.1[2.5-6.4]年)。全体的認知 z スコアの勾配は、登録後の手術/GA への暴露後に有意に負になった(N2O なしの GA の場合 -0.062[95%信頼区間{CI}、-0.085〜-0.039]、N2O ありの GA の場合、-0.058[95%CI、-0.080〜-0.035]の勾配の変化、両方とも P<0.001)。手術/GA への暴露後の勾配の変化は、N2O を使用した麻酔に暴露した場合と使用しなかった場合とで差はなかった(推定差 -0.004[95%CI、-0.035〜0.026]、P=0.783)。

・手術/GA への暴露は、認知 z スコアの小さいが統計的に有意な低下と関連している。認知機能低下は、N2O のある麻酔とない麻酔とで差はなかった。この知見は、認知機能低下に関連する懸念から、高齢者で N2O の使用を避ける必要がないというエビデンスを提供している。

亜酸化窒素は、体内に大量に蓄積されていて、けっこう長時間体に呼気に出現し続けるが、この研究のような長期的なレベルの話ではない。数時間からせいぜい数十時間だろう。

【出典】
Anesthesia With and Without Nitrous Oxide and Long-term Cognitive Trajectories in Older Adults.
Anesth Analg. 2019 Oct 18. doi: 10.1213/ANE.0000000000004490. [Epub ahead of print]

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