乳癌手術に際してプロポフォールベースの全静脈麻酔は、デスフルラン麻酔と比較して生存率を改善しなかった

乳がん2.png・乳癌は女性で最もよく見られる癌であり、いくつかの周術期因子が腫瘍の再発と転移の原因となる可能性がある。癌手術中に使用される麻酔薬は、癌細胞の生存と患者転帰に重要な役割を果たす可能性がある。経験豊富な同一の外科医が実施した乳癌手術を受けた患者で、麻酔の種類と全生存率との関係を調査するために、後ろ向きコホート研究を実施した。

・2006 年 1 月から 2010 年 12 月までに経験豊富な外科医による乳癌手術を受けた全患者が本研究に含まれた。患者は、手術時のデスフルラン、あるいはプロポフォール麻酔の使用に従って 2 群に分けられた。 2 群(デスフルランまたはプロポフォール麻酔)について局所領域再発と全生存率を評価した。単変量および多変数 Cox 回帰モデルと傾向スコアマッチング分析を使用して、死亡のハザード比を比較し、潜在的交絡因子(年齢、肥満指数、ASA-PS 分類、TNM ステージ、術前補助化学療法、チャールソン共存症指数、麻酔科医、機能状態)について調整した。

・976 人の乳癌患者のうち、632 人の患者がデスフルラン麻酔による乳癌手術を受け、344 人がプロポフォール麻酔を受けた。傾向スコアリング後、592 人の患者がデスフルラン群に残り、296 人の患者がプロポフォール群に残った。死亡率は、5 年間の経過追跡で、デスフルラン(38 人の死亡、4%)とプロポフォール(22 人の死亡、4%; p=0.812)群で同様であった。全患者の粗ハザード比(HR)は 1.13(95% 信頼区間[CI]0.67-1.92、p=0.646)であった。デスフルランまたはプロポフォール麻酔を使用した乳房手術後、局所領域再発または全体的な 5 年生存率に有意差は認められなかった(p=0.454)。傾向スコアマッチング分析では、両群で同様の結果が示された。プロポフォール麻酔を受けた患者の死亡率は、一致した群でデスフルラン麻酔を受けた患者よりも高かった(それぞれ 7% vs 6%)が、有意差はなかった(p=0.561)。傾向スコアを一致させた分析では、単変量分析で有意でない結果が示された(HR=1.23、95%CI 0.72-2.11、p=0.449)。最古の患者が含まれてからの時間で調整後、HR は有意でないままであった(HR = 1.23、95%CI 0.70-2.16、p=0.475)。

・著者らの非無作為化後向き分析では、経験豊富な同一外科医による乳癌手術に際して、プロポフォール麻酔もデスフルラン麻酔も、患者の予後と生存に影響を与えることはない。プロポフォール麻酔が乳癌の転帰に及ぼす影響は、さらなる調査が必要である。
POINT乳癌手術に際して、プロポフォール麻酔とデエスフルラン麻酔とで、乳癌の再発や患者生存に及ぼす影響に差はなかった。
【出典】
Propofol-based total intravenous anesthesia did not improve survival compared to desflurane anesthesia in breast cancer surgery.
PLoS One. 2019 Nov 7;14(11):e0224728. doi: 10.1371/journal.pone.0224728. eCollection 2019.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント