非心臓手術後の心筋傷害の発生に及ぼす揮発性麻酔と完全静脈麻酔の効果

心臓.png・揮発性麻酔薬と完全静脈麻酔(TIVA)の心保護効果は、特に非心臓手術を受ける患者では議論の余地がある。現世代の高感度心臓トロポニン(hs-cTn)を使用して、非心臓手術後の心筋傷害(MINS)の発生に及ぼす麻酔薬の効果を評価することを目指した。

・2010 年 2 月から 2016 年 12 月にかけて、術前 hs-cTn 上昇のない 3555 人の患者が全身麻酔下で非心臓手術を受けた。患者は麻酔薬に従って群分けされた。659 人の患者はプロポフォール-レミフェンタニル完全静脈麻酔(TIVA)群に分類され、2896 人の患者は揮発性群に分類された。群間でレミフェンタニルの使用を均等にするために、揮発性群でレミフェンタニル注入を受けた患者からバランス群(n=1622)を生成し、2 つの別々の比較を実施した(TIVA vs 揮発性と TIVA vs バランス)。主要評価項目は MINS の発生であり、術後 48 時間以内の hs-cTnI≧0.04 ng/mL の上昇として定義された。副次評価項目は、30 日間の死亡率、術後急性腎障害(AKI)、入院中の有害事象(死亡率、I 型心筋梗塞(MI)、新規発症不整脈)であった。

傾向一致分析では、MINS の発生は、揮発性群と比較して TIVA 群の方が低かった(OR 0.642; 95%CI 0.450-0.914; p=0.014)。ただし、レミフェンタニルの使用を均等化した後、MINS のリスクに群間差はなかった(OR 0.832; 95%CI 0.554-1.251; p=0.377)。レミフェンタニルの使用を均等にする前と後で、1型 MI、新規発症心房細動、院内および 30 日死亡率に 2 群間に有意な関連はなかった。ただし、術後 AKI の発生率は TIVA 群の方が低かった(OR 0.362; 95%CI 0.194-0.675; p= 0.001)。

レミフェンタニルの使用を均等にした後、揮発性麻酔と TIVA は、術前心筋傷害を伴わない非心臓手術を受けた患者において、MINS に及ぼす同等の効果を示した。レミフェンタニル注入の利点に関するさらなる研究が必要である。

完全静脈麻酔と揮発麻酔薬で、非心臓手術に際しての心筋傷害に及ぼす効果に差はなさそうだ。

【出典】
Effects of Volatile versus Total Intravenous Anesthesia on Occurrence of Myocardial Injury after Non-Cardiac Surgery.
J Clin Med. 2019 Nov 15;8(11). pii: E1999. doi: 10.3390/jcm8111999.

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