臨床的確率に合わせた d-ダイマーによる肺塞栓症の診断

肺塞栓症.png・後ろ向き分析により、肺塞栓症は、臨床前検査の確率が低い患者(C-PTP)では、d-ダイマー値が 1000 ng/mL 未満、中等度の C-PTP 患者では、500 ng/mL 未満で除外できることが示唆されている。

・著者らは、C-PTP が低く、d-ダイマー値<1000 ng/mL か、または、中等度のC-PTP で d-ダイマー値<500 ng/mL の外来患者で、さらなる検査を行わずに肺塞栓症を除外する前向き研究を実施した。他の全ての患者は胸部画像診断を受けた(通常、コンピュータ断層撮影肺血管造影法)。肺塞栓症が診断されなかった場合、患者は抗凝固療法を受けていない。全患者は、静脈血栓塞栓症を検出するために 3 ヵ月間経過追跡された。

・合計 2017 人の患者が登録および評価され、そのうち 7.4% が初期診断検査で肺塞栓症を患っていた。C-PTP が低い(1285 人の患者)か、または C-PTP が中程度(40 人の患者)で、d-ダイマー検査が陰性(すなわち、それぞれ<1000、または <500 ng/ml)であった 1325 人の患者のうち、経過追跡中に静脈血栓塞栓症のあった患者はいなかった(95% 信頼区間[CI]、0.00〜0.29%)。これらの患者には、低 C-PTP で d-ダイマー値=500〜999 ng/mL(95%CI、0.00〜1.20%)の 315 人の患者が含まれた。最初に肺塞栓症の診断を受けず、抗凝固療法を受けなかった 1863 人の患者のうち、1 人の患者(0.05%; 95%CI、0.01〜0.30)が静脈血栓塞栓症であった。著者らの診断戦略の結果、患者の 34.3% で胸部画像診断が使用されたが、C-PTP が低く、d-ダイマー値<500 ng/mL で肺塞栓症が除外できると考えた戦略では、患者の 51.9% で胸部画像診断が使用するけっかとなったであろう(差、-17.6% ポイント、95%CI、-19.2〜 -15.9)。

低 C-PTP と d-ダイマー 値<1000 ng/mL の併用により、経過追跡中に肺塞栓症のリスクが低い患者群を特定できた。
POINT臨床的に肺塞栓症の発症確率が低い患者群では、d-ダイマー 値<1000 ng/mL であれば、ほぼ除外診断できる。
【出典】
Diagnosis of Pulmonary Embolism with d-Dimer Adjusted to Clinical Probability.
N Engl J Med. 2019 Nov 28;381(22):2125-2134. doi: 10.1056/NEJMoa1909159.

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