大動脈内バルーンポンプは、心臓手術を受ける高リスクの心疾患患者の脳血行動態および神経学的転帰に影響を与えない:IABCS 試験の分析

IABP.png・大動脈内バルーンポンプ(IABP)は、冠動脈灌流を改善し、後負荷を減らすために、心臓手術を受ける高リスク患者によく使用される。脳血行動態に及ぼす IABP の影響は不明である。そこで、「心臓手術を受ける患者の大動脈内バルーンカウンターパルセーション」(IABCS)試験で、術前 IABP を受けるか、受けないように無作為化された心臓手術を受ける患者で、脳血行動態と神経学的合併症に及ぼす IABP の効果を評価した。

・これは、以前に公開された IABCS 試験の前向きに計画された分析である。心室駆出率≦40% または EuroSCORE≧6 で待機的冠動脈バイパス手術を受けた患者は、術前に IABP(n=90)を行うか、または IABP を行わなかった(n=91)。経頭蓋ドップラーによる中大脳動脈の脳血流速度(CBFV)と Finometer または動脈ラインによる血圧は、術前 IABP 有りの患者(n=33)と、IABP なしの患者(n=34)で、術前(T1)、術後 24 時間(T2)、術後 7 日(T3)に記録された。脳の自己調節は、伝達関数分析により得られた血圧の段階的変化に対する CBFV 応答から推定された自己調節指数によって評価された。せん妄、脳梗塞、認知能低下は、手術 6 ヵ月後に記録された。

IABP 患者と対照患者の間で、全ての測定点において、自己調節指数(T1:5.5±1.9 vs. 5.7±1.7; T2:4.0±1.9 vs. 4.1±1.6; T3:5.7±2.0 vs. 5.7±1.6、p=0.97)や CBFV(T1:57.3±19.4 vs. 59.3±11.8; T2:74.0±21.6 vs. 74.7±17.5; T3:71.1±21.3 vs. 68.1±15.1 cm/s; p=0.952)に差はなかった。術後せん妄率(26.5% vs 24.2%、p=0.83)、脳梗塞(3.0% vs 2.9%、p=1.00)、ミニ精神状態検査(16.7% vs 40.7%; p=0.07)とモントリオール認知評価(79.16% vs 81.5%; p = 1.00)の分析による認知機能低下に関して、群間差はなかった。

心臓手術を受ける高リスク患者で IABP の術前使用は、脳血行動態に影響を与えず、神経学的合併症の発生率が高いこととは関連していなかった。

IABP は、脳血流を増加させると思っていたがそうでもないのか。

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