個別化周術期肺解放換気戦略中の酸素が術後感染に及ぼす影響:無作為化比較試験

SSI.png・著者らは、術中および術後の個別化肺開放換気アプローチの場合に、高い吸入酸素濃度(FIO2)を使用すると、腹部手術を予定された患者の手術部位感染(SSI)を減らす可能性があるかどうかを調査することを目的とした。

・2017 年 6 月 6 日から 2018 年 7 月 19 日まで、21 の大学病院のネットワークで多施設無作為化対照臨床試験を実施した。腹部手術を受ける患者は、術中と術後 3 時間に、高濃度(0.80)か、通常(0.3)の FIO2 を投与されるよう無作為に割り当てられた。全患者は、肺開放戦略によって人工呼吸され、最適な呼吸器系コンプライアンスのための肺加圧操作と個別化された呼気終末陽圧、適切な末梢酸化ヘモグロビン飽和のための個別化された持続陽圧呼吸を行った。主要評価項目は、術後 7 日以内の SSI の有病率であった。副次評価項目は、全身的合併症、集中治療室在室機関、入院期間、6 ヵ月死亡率の複合であった。

・740 人の被験者を登録した:高 FIO2 群が 371 人、低 FIO2 群が 369 人。717 人の被験者からのデータを最終分析に利用できた。術後 1 週間の SSI 率は、高 FIO2 群(8.9%)と低 FIO2 群(9.4%)で差はなかった(相対リスク[RR]:0.94; 95% 信頼区間[CI]:0.59-1.50、P=0.90])。無気肺(7.7% vs 9.8%; RR:0.77; 95%CI:0.48-1.25、P=0.38)と心筋虚血(0.6%[n=2] vs 0%[n=0]、P=0.47)などの副次評価項目については群間で差はなかった。

通常の FIO2 と比較して高 FIO2 を使用した酸素化戦略では、腹部手術の術後 SSI は低下しなかった。副次評価項目や有害事象に差は認められなかった。

「高濃度酸素の投与が術後 SSI を減少させる」というまことしやかな研究結果は否定されたか。

【出典】
Effects of oxygen on post-surgical infections during an individualised perioperative open-lung ventilatory strategy: a randomised controlled trial.
Br J Anaesth. 2019 Nov 22. pii: S0007-0912(19)30776-7. doi: 10.1016/j.bja.2019.10.009. [Epub ahead of print]

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