股関節骨折修復を受ける患者の併存疾患と合併症の傾向

大腿骨頸部骨折4.png・股関節骨折患者は、その重大な併存疾患の負担と合併症率と死亡率の高い発生率に関連するさまざまな周術期の課題を抱えている。地域住民の傾向データは以前として稀であることから、著者らは、股関節骨折修復手術後患者の人口統計と転帰における米国の全国的傾向を調査することを目指した。

・施設倫理委員会の承認(IRB#2012-050)の後、股関節骨折修復手術をカバーするデータが Premier Healthcare Database(2006-2016)から抽出された。患者の人口統計学、併存疾患、合併症、麻酔と手術の詳細が経時的に分析された。Cochran-Armitage トレンドテストと単純線形回帰により、(線形)トレンドの有意性が評価された。

・N=507,274 件の股関節骨折症例の中で、既存の共存症の頻度、特に 3 つ以上の共存症のある患者割合の有意な増加が観察された(それぞれ 33.9% から 43.4%、P<0.0001)。個々の併存疾患の最大の増加は、睡眠時無呼吸、薬物乱用、体重減少、肥満で見られた。合併症に関しては、経時的に急性腎不全の割合が増加が見られた(入院日数 1000 日あたり 6.9 から 11.1、P<0.0001)のに対して、死亡率、肺炎、出血/血腫、急性心筋梗塞については有意な減少傾向が記録された。さらに、単独の麻酔として、あるいは、全身麻酔との併用として使用される、脊柱管麻酔の使用については、減少傾向が観察された(それぞれ 7.3% から 3.6%、6.3% から 3.4%、P<0.0001)。中規模や大規模病院ではなく小規模病院で有意に多くの患者が手術を受けていた(31.9% vs 41.3%、P<0.0001)。

・2006 年から 2016 年にかけて、股関節骨折修復手術を受けた患者では、全体的な併存疾患の有病率が増加した。この同期間を通して、術後合併症の発生率は一定のままか低下しており、急性腎不全でのみ有意な増加が観察された。さらに、区域麻酔の使用は経時的に減少した。この併存疾患の多い患者人口は、医療保健シンステムへの負担の増大を表している。ただし、既存の予防策は、合併症頻度を最小限に抑えるのに効果的であるようである。しかし、提案されている区域麻酔の利点を考えると、使用率の低下が懸念される。

股関節骨折修復術の侵襲度が少しずつでも減少しているのなら、区域麻酔の有用性は相対的に低下しており、全身麻酔への併用率が減少してきているのかもしれないな。

【出典】
Trends in Comorbidities and Complications Among Patients Undergoing Hip Fracture Repair.
Anesth Analg. 2019 Nov 21. doi: 10.1213/ANE.0000000000004519. [Epub ahead of print]

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