全身麻酔に関連した歯牙損傷―後ろ向き研究

歯牙損傷.png・全身麻酔中、特に気道管理中に歯牙損傷が発生する場合がある。本研究の目的は、全身麻酔に関連する歯牙損傷の事例を、損傷の種類と程度、および認識のタイミングに焦点を当てて明らかにすることであった。

・デンマークの患者補償協会で利用可能な全国の電子データベースをレビューし、2007 年から 2017 年までに全身麻酔に関連して歯牙損傷の可能性があると分類された全ての請求を精査した。

・10 年間の研究期間中、麻酔に関連する補償の請求が 2523 件ありた。これらのうち、552(21.9%)は全身麻酔後の歯牙損傷の可能性がある症例であった。損傷の頻度が最も高かった歯牙は、上顎中切歯であり、174 例(25.3%)が左側で、118 例(17.2%)が右側切歯に関連していた。最もよく見られる損傷は折損(41.2%)と亜脱臼(25.9%)であった。気道管理には、296 件(64.4%)の症例にマッキントッシュ喉頭鏡を使用し、69 件(15%)の症例に声門上気道器具を使用していた。挿管試行回数が 2 回を超えた場合、請求はより頻繁に承認された(100% vs 82.8%、RR=0.83、95%CI[0.78-0.88]、P=0.0037)。院内で認知された損傷は、退院後に認められた損傷よりも頻繁に承認された(91.6% vs 70.7%、RR=0.83、95%CI[0.70-0.86]、P<0.0001)。

デンマークの患者補償協会のデータベースで最も一般的に報告された全身麻酔に関連した歯牙損傷は折損であった。挿管試行回数が 2 回を超えたり、損傷が院内で認知された場合、請求が承認されることが多かった。

口腔内の右側に視野を得ようとするため、左上顎中切歯の損傷が最も多い。ビデオ喉頭鏡が導入されて歯牙損傷の症例数は減ってきているのだろうけど。

【出典】
Dental injuries in relation to general anaesthesia-A retrospective study.
Acta Anaesthesiol Scand. 2019 Sep;63(8):993-1000. doi: 10.1111/aas.13378. Epub 2019 Apr 23.

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