全身麻酔下での脊椎手術後の術中低体温は急性腎障害の減少と関連している:後ろ向き観察研究

低体温.png・低体温は虚血性傷害に対する保護効果があることが知られているが、腎障害に対する低体温の影響はまだ解明されていない。そこで、本研究は、全身麻酔下で脊椎手術を受けた患者における術中低体温と術後急性腎障害(AKI)との関連を明らかにすることを目的とした。

・本後ろ向き観察研究では、2010 年 1 月から 2018 年 3 月までに待機的脊椎手術を受けた成人患者の診療記録を分析した。患者は、食道聴診器を使用して測定された平均術中温度に基づいて、正常体温群(36.5〜37.5°C)、軽度低体温群(35〜36.5 °C)、低体温群(<35°C)に分類された。平均術中温度と術後 AKI の発生率との関連は、治療重み付け逆確率(IPTW)調整後のロジスティック回帰分析を使用して分析された。

・分析には、6520 人の患者が含まれ、そのうち 248 人(3.8%)が POD 3 内に AKI と診断された。IPTW 調整の適用後、術後 AKI の発生率は低体温群で正常体温群よりも 32% 低かった(オッズ比、0.68; 95% 信頼区間、0.53-0.87、P=0.002)のに対して、軽度低体温群の術後 AKI 発生率は、正常体温群(P=0.139)、低体温群(P=0.075)と有意差はなかった。

・本研究は、術中低体温が全身麻酔下の脊椎手術後の AKI の発生率低下と関連していることを示した。さらに、この関連性は低体温<35℃の群で明らかであった。

術中低体温は、覚醒遅延妥当か術後感染だとか、何かと悪い方向にばかり評価されがちだが、虚血性障害に対する保護効果の点からは良い面もある。

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